第4回 平成21年7月28日(環境建設委員会)
更新日:2011年2月15日
環境建設委員会記録(第4回)
1.日 時 平成21年7月28日(火) 午後1時45分~午後4時26分
1.場 所 東村山市役所第2委員会室
1.出席委員 ◎佐藤真和 ○北久保眞道 大塚恵美子 山川昌子
保延務各委員
1.欠席委員 丸山登委員
1.出席説明員 渡部尚市長 三上辰己都市環境部長 新井至郎資源循環部次長
田中元昭都市環境部次長 寺島修都市計画課長 小田耕一みどりと環境課長
1.事務局員 田中憲太局長心得 礒田順直調査係長 三島洋主任
1.議 題 1.21陳情第1号 東村山市諏訪町の田んぼの保全を求める陳情
午後1時45分開会
◎佐藤委員長 ただいまより環境建設委員会を開会いたします。
―――――――――――――――― ◇ ――――――――――――――――
◎佐藤委員長 傍聴の申し出があれば、これを許可したいと思いますけれども、これに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定させていただきます。
傍聴申請があれば、適宜これを許可いたします。
次に進みます。
休憩します。
午後1時46分休憩
午後1時49分再開
◎佐藤委員長 再開します。
審査に入る前に申し上げます。携帯電話、カメラ、テープレコーダー等の委員会室への持ち込みの禁止が集約されております。本委員会室への持ち込み並びに使用は禁止をさせていただきますので、御承知おき願います。
―――――――――――――――― ◇ ――――――――――――――――
[議題1]21陳情第1号 東村山市諏訪町の田んぼの保全を求める陳情
◎佐藤委員長 21陳情第1号を議題といたします。
休憩します。
午後1時50分休憩
午後2時51分再開
◎佐藤委員長 再開します。
各委員から質疑、意見等はありませんか。保延委員。
○保延委員 前回ちょっと市長の、陳情書にある市長の言葉について前回質疑したんですが、市長いらっしゃらないということで、今回市長に出ていただいているものですから、市長のお考えといいますか、あるいはこの陳情書に出ている市長の言葉なんかについて何点か伺いたいんですけれども、まず、読売新聞の07年6月19日に国会議員30人でつくる都市における農業を考える若手議員の会、それからJA東京みらい、市長も参加して田植えをやったという記事で、これはそのとおりだと思うんですけれども、問題はそこで市長が、相続税の問題もあるが、農地は防災など多面的な役割を果たしており、できるだけ残していきたいと発言をした。この記事だと、木原議員も同様な発言をしているようですね、都市の農地を守っていけるようにしたいというふうに。この辺、まず事実かどうか確認をしておきたいんですけれども。
△渡部市長 事実でございます。
○保延委員 今度はその下のほうに、先ほど陳情者の方に聞いたんですけれども、渡部市長は東京都に相談し、この田んぼの保全について検討したいとしていますが、議会もこの件での推進の決議を上げてほしいと話していますと、これも事実でしょうか。
△渡部市長 陳情人がどのように受け取られたかわかりませんが、一番最初にお目にかかったのが5月11日ですが、なぜ市は買い取り請求に対して買い取りをしなかったのかという説明をさせていただきました。長くなるので、内容は割愛させていただきます。市は買えませんという話はさせていただきました。
ただ、二元代表制ですから、議会はまた違う判断もあるかもしれませんので、議会にも陳情なさったほうがいいのではないでしょうかということは申し上げたところです。
東京都については、私の記憶ではむしろ、陳情人のほうから、ありとあらゆるところに働きかけますよというお話だったので、そのことについて私のほうからやめてくださいとか、やってくださいという立場ではありませんので、ということは申し上げた記憶があります。東京都のほうには話しに行くとおっしゃったので、それはぜひ、東京都が買っていただけるならば、それにこしたことはないですねというようなことを申し上げた記憶はあります。
○保延委員 大体、事実関係、お伺いしました。
市長の07年6月のできるだけ残していきたいというのは事実だし、市長もそういうお考えだと思うんです。本件の田んぼを残すための努力といいますか、その辺のことについて概略をお話しいただきたいんですが。要するに、いろいろと努力したけれども、結果として買えないとなったんだと思うんですよ。できるだけ残していきたいと言ったのは、残らないという決定をしたわけですから、その間のことについて伺います。
△渡部市長 努力をしたかと言われると、まだ足りなかったのかもしれません。ただ起案が回ってきた昨年の11月段階で、これは文書では残っていませんが、当然、私は自分が田植えをしたところも含まれているのを承知いたしておりましたので、何とかならないものかなということは考えまして、当時、北山公園の都市計画公園区域の拡大変更ということで、一部先行取得で善行橋付近の用地を買わせていただく話が、正式に契約になったのは12月1日ですけれども、大体、そのときの平米単価が、平米当たり20万円ということでありましたので、ざっと計算すると、当時の近傍地で簡単に算出すると3億を超えてしまう金額でございます。そういったお金の問題が1つありました。
それから、前から議会で何度も申し上げているように、緑地として優先的に、先ほど北久保委員からも優先の順位はどうするのかという話がありましたけれども、やはり公園の網をかぶっているところ、ないし、市が緑地保護区域として指定をしているところについて、市としては優先順位を考えていきたいということで、農地については残念ながら今まで何ら庁内でも議論はしておりませんし、議会でもそういう御指摘はいただいたことは率直に言ってございませんでしたので、この間、私が市長に就任してから約40件ぐらいの生産緑地の買い取りの請求は出ていますが、基本的には、そこが都市計画道路の予定地であるとか、公園の予定地であるということかどうかを確認して、そうでない限りは、今の市の財政力で考えると、基本的には公有地化できないと判断をしてまいりました。
そんなことで、この田んぼについても、田んぼの希少性というのは十分承知はしておりますけれども、手続として、先ほどもいろいろ休憩中には話がありましたように、手続としてやはり緑地を取得するとなると、一定の基準で市民合意がなされたところを、やはり市としては買わざるを得ないだろうと考えておりますので、何らそういう手続がされていないところについて、やはり主観的にここは大切だとしたとしても、いきなり公有地化することにはならないのではないかなという判断をいたしたところでございます。
あともう一つは、やはり基本的に農地については農地のまま保全をするというか、営農するということが私は必要なことではないかなと思っています。先ほども、休憩中にあった議論でもありましたけれども、東京における農地については、農地法の縛りは当然ありますけれども、基礎となっているのは、都市計画法の範疇であります生産緑地法でなっているわけです。生産緑地法では、営農を続ければ相続税は猶予されることになっているわけであります。ですから、屋敷林だとか、宅地化農地の評価が高い場合、どうしても農家としては農地を一定程度手放さないと相続税が払えないという現実があるわけです。
ただ、その農地が一定の収益を上げているということであれば、農家としても生産手段ですから、当然、手放さないだろうと思うわけです。そういう意味で、当市も、よその市もそうですけれども、農業政策としては、1つには、国に対して東京、あるいは都市近郊で農業が続けられるような税制制度にしてほしいという運動をしておりまして、議会でも答弁させていただいたように、昨年10月には都市農地保全推進自治体連絡協議会を立ち上げて、今運動しているという状況です。
もう一つは、東村山の農業がそれなりに経営側にとっても魅力あるものでなければならない、一定の農業で収益が上がる、それで生活ができるということにならないと、やはり生産性の低い農地については、相続が発生すると地権者の方は優先的にそっちは手放さざるを得ないという現実、やっぱり否定できないと思っておりますので、緑の問題とともに、今後の東京における農業、東村山における農業をどう維持、できれば発展をどうやってさせていくのかということを今後も検討していきたいと考えておりますが、今回のこの田んぼに関していうと、確かに希少性はあるわけですけれども、営農するには、やはりほとんど収益が上がらないところでありますので、地主さんが先祖伝来の土地を泣く泣く手放さざるを得ないということの事情も私どもとしては率直に十分理解ができるところと思っております。
ただ、残念ながら、私どもとしても、先ほど申し上げたように、手続の問題、財源の問題等考えて、やはり公有地化をして、では、何のために農地を残すのかというところもまだ全然議論されておりませんので、そこらを踏まえて、最終的には買い取り請求については申し出をお断りせざるを得ないという判断をさせていただいたところであります。
○保延委員 努力をしたかと言われれば、もっとあったかもしれないというニュアンスがありました。それから、市としてはそういう決定したけれども、二元代表制で、議会の意見は違うかもしれないから陳情したらどうかということについても、そんなニュアンスがあるのかなという気がするんですけれども、農地一般というよりか、この問題では、田んぼとしての歴史的な、文化的な意義というか、そういうことがかなり議論になっているわけですね、いわゆる、農地一般という意味ではなくて。
その辺について、かなり、私もこの陳情で認識を新たにしたんですけれども、いわば北多摩近隣の中で唯一残っている田んぼということですよね。その辺については、もちろん市長知っていたでしょうと思うんだけれども、今農地の話をずっとされていたんで、田んぼとして何とかならないかということなんですね、この陳情は。その辺についての市長の所見といいますか、伺いたいと思うんですが、田んぼとして残していく必要があるのではないか。
私はこの件では、前回のときに誤記といいますか、5件あって、畑、畑、畑となって、5件目は田んぼなんだけれども、それも畑と書いちゃって、起案書になっていて、それが議論されたんだけれども、その辺についても、畑でも田んぼでも農地は農地で、農地法でそれほど変わらないのではないかという意見もあるようだけれども、私は、これは畑と田んぼとではかなり大きな違いがあると思うんですよ。その辺についての市長の認識というか、それを聞いてみたいと思います。
△渡部市長 先ほど申し上げたように、起案書は畑というふうに誤記をされておりまして、その点についてはおわびを申し上げたいと思っておりますが、起案が回ってきた時点では、私は田んぼだというのは十分承知をいたしておりまして、先ほど申し上げたように、買うとするとどれぐらいかね、という話はした記憶があります。
ただ、先ほど申し上げたぐらいの金額になりますので、しかも、ここは公園の区域ではないとなると、すべて単費で買っていかなければならないということ等を踏まえたものであります。
希少性ということについては、確かに北多摩エリアで田んぼというのは非常に少ないということで、それについては認識をしているつもりでありますが、ただ希少性としてだけで買い取って、今後どういうふうに活用するのかというのは全く今まで議論がなされてないわけで、購入ありきでいいのかということはそのときも思いました。
一番最初、初回に陳情人の方とお話をしたときに、現在、北山公園区域内にはまだ民地の田んぼが残っていますよねと、ここについては私が市長である限り絶対何としても将来にわたって公有地化をしていきたいということで、この活用については、例えば教育的な価値、文化的な価値を踏まえて残していくということはあり得るのではないでしょうかという話をさせていただきました。
そういう意味で、こちらが残るから、あちらがなくなってもいいという議論ではないけれども、やはりどうしても市としては限られた財政状況の中で優先順位を考えていかざるを得ない立場としては、公園区域内の中に田んぼが残っていれば、そちらを公有地化するほうが市民の皆さん、あるいは議会の皆さんの御理解も得やすいであろうという判断をいたしております。
○保延委員 とりあえずの最後なんですけれども、先ほどの陳情者の話でいえば、東京都も市から相談があれば保存のメニューを検討すると言っているんで、東京都が相談に乗るよということであるとまた違うと思うんですけれども、東京都とは既に相談したんでしょうか。
△渡部市長 兵藤さんに陳情人がお目にかかられたということで、東京都のほうから照会はございました。それに対して、端的に申し上げると、市で何か、市が主体で事業を起こすことについて東京都はメニューは持っていますよ。ただ東京都が買うということは、そのとき明言として都が買いますというお話はなかったと聞いております。
○保延委員 だから、東京都が、例えば市が買い取る場合に、東京都の補助があり得るかということだと思うんですよね。そういう意味の相談をしたかということなんですけれども。あるいは、東京都は市から相談があれば保存のメニューを検討するという意味はそういう意味ではないかと思うんですよね。今まではそういうこと、相談したということはなかったということだね。
△渡部市長 基本的には、公園の指定等がかかっているとか、あるいは東京都が前段で、東京都の緑地保護区域に指定されているとか、何か前段のアクションがないと、東京都としても難しいのではないかなと私どもとしては判断をいたしました。
○保延委員 質疑というわけではないんだけれども、つまりこの場合は、いわゆる都市計画法とか、そういう意味ではなくて、非常に近隣一帯の中で唯一残った田んぼで、いわば東京都を代表する田んぼ、それがなくなっちゃいそうだという場合に、これを何とかならないものかというのは、市長も何とかならないものかと思ったわけだよね。何とかならないものかという場合に、当然、東京都と相談するのではないかなと私は思うんだけれども、例えば市が買い取った場合に、それを補助する制度はあるのかどうか、あるいは、そういうことが可能かどうかとか、そういうことだと思うんですけれども。
つまり、淵の森もそうだったと思うんですけれども、市民のそういう特別な思いの場所ということで何とかならないものかということだと思うんですけれども。
△渡部市長 私の、萩山の民設公園の問題だとか、今名前の出た淵の森、対岸緑地の件とかの経験で言わせていただくと、はっきり言って、思いだけで東京都が補助するということはまずあり得ない話、それは議員の皆さんもよく御案内のことだろうと思います。
◎佐藤委員長 ほかに質疑ありませんか。大塚委員。
○大塚委員 市長に伺います。
先日、タウンミーティングが開かれたという話を聞いているんですけれども、その場で市長が述べられたという、緑の保護に対する読売新聞に以前載った記事の発言について質疑があったように聞いているんですが、そのときに、あれは一般論であった、一般論を言ったまでだと言われていると聞いています。
これはすごく残念なことであって、農地の価値、また水田の価値についてはお考えがあるのだというふうにはきょう受けとめたんですけれども、実際には、市は緑の保護と育成に関し条例を持っていて、減少していく田んぼや畑などの農地に対して、適正かつ具体的な取り組みをするとか、また、あるいは以前の発言の中に、できるだけ残していきたいんだという思いの背景や根拠がなければ、やはり、揚げ足を取っているわけではないんですけれども、言ってはいけなかったし、また、今回、一般論だったと自分の発言をちょっと角度を変えて、おとしめられたようにも聞こえてしまうので、そのあたりはいかがでしょうか。私は別に揚げ足を取るわけではないんですけれども、やはり市長の発言として重く受けとめたものですから、伺いたいです。
△渡部市長 弁明するわけではありませんが、読売新聞の記事につきましては、私は一般論というか、特定の農地を想定して農地を保全するという意味で発言をしたものではありません。ですから、田植えを確かにしましたけれども、この農地を守っていきたいという意味合いで言ったわけではないということで、それが大塚委員から言わせると、自分の発言をおとしめたことになるのかどうか、私はわかりませんけれども、そこの意味合いははっきりさせておきたいと考えております。
というのは、その後、実はJAの2階で田植えをされた国会議員の皆さんと、市内の農業者の方が今後、東京の農業をどういうふうな税制制度、あるいは農業政策があれば守っていけるのかという討論会があったんです。その前段としての田植えの作業をやられたものでありまして、私の発言は、その後の部分の、何というんでしょうか、東京の農業をどう守るかという討論会を踏まえたというか、それを想定しての発言と受けとめていただければいいと思うんです。
先ほど申し上げたように、東村山市の農地は、私が議員になった平成3年当時、大体250ヘクタールぐらいありましたけれども、現在145ヘクタールです。ですから、18年の間に100ヘクタール減少をしています。それは、ほとんどは畑になるわけですけれども、このままでいきますと、本当に東村山市の農地がなくなってしまうおそれを、私も非常に危機感を持っていますが、先ほど来申し上げているように、東京で農業、東村山で農業を続けていくには、2つの壁があって、やはり税制の問題と、それと農業が産業として成り立つのかどうかということになるわけです。
市内の農業者の皆さんは、農業収入だけだととても暮らせないと皆さんおっしゃっておられます。ですから、大体家作を持ったり、駐車場持ったりされて、生計をされている。そこは、相続税が宅地並みに全部かかってきますので、相続が発生すると、そちらのところの相続税を払うために生産性の低い農地、あるいは樹林地等の猶予がかからないところを先に切り売りをされていくという悪循環を生んでいるわけだと思っていますので、やはりこれからも国に対しては、東京、あるいは大都市近郊で農業が継続できるような税制制度というものをぜひつくっていただきたいと、これからも自治体の長としては、先ほど申し上げたような都市農地保全推進協議会みたいなところで頑張っていかなければならないと思っていますし、もう一つは、産業としてある程度成り立つということになると、どうしても東村山のようなところですと、比較的営農意欲の高い農家というのは果樹と花卉ですね。
この2つの農家については、比較的収益が高いものですから、営農する後継者もいらっしゃるという状況ですけれども、御案内のように、葉物だとか、昔は、この辺はカンショと小麦が最大の生産だったわけですけれども、今、小麦つくっていらっしゃる方はほとんどいらっしゃらない、もう趣味の領域でやっていただいているという農家ぐらいしかいないという現状で、水田に至っては、本当に希少価値で、先祖代々守ってきたから何とか自分の代だけは続けたいという思いで今回手放された農家の方も続けておられたんだと思いますけれども、やはりこれらの農地を農地として継続する、要するに、環境とかそういう面の配慮はもちろん必要なんですけれども、産業として、東京、あるいは東村山で農業が継続できるようなことを考えていかないと、農地がどんどん減少することについては、やっぱり歯止めがどうしてもかけられないと思うんです。先ほどもありましたように、140ヘクタールというと、すべてこれ公有地化すると、仮に平米単価20万円で買ったら、2,000億円かかるわけですよ。そんなこと到底できるわけがないので、やはり税制と農業の振興、これを二本柱として、東村山の農地を守っていくということに我々も、これからも努力をしていく必要があると考えています。
○大塚委員 続けて市長に伺います。
当市には、緑の保護と育成に関する条例や基本計画、都市マスタープランなどもありますけれども、市民参画でそういった緑のあり方をチェックしていく機関として、緑化審議会や緑の市民会議があるわけですけれども、そちらに対する情報提供や説明が行われなかったのはなぜなのか。こういった審議会や会議の位置づけについても伺いたいです。
△渡部市長 これは、私としても今後検討しなければならない課題だと受けとめているところでございますが、市が指定している緑地保護区域については、一応、緑化審にお諮りをして、買い取り請求がもし出た場合、報告をさせていただいています。
ただ、指定緑地についていいますと、今、全部で39カ所、大体12.89ヘクタールくらいしかないので、そんなに頻度はないんです。年に1件出るかどうかぐらいの頻度で、私が市長になってからは推移をしていますが、生産緑地についていうと、これを報告するという仕組みは、これまでうちの市にはございませんでした。今後、これらについてもどうしていくのかというのは検討しなければならないと思いますけれども、ただ、基本的には個人の財産ですから、個人情報とかの問題もあろうかと思います。
ただ、一定程度どこかで報告を検討すべきなのかなとは考えています。ただ、今後、いわゆる樹林地だけでなくて、農地も保全をしていくとなった場合には、やはりどういう目的、それから公有地化した後の活用ですね。やみくもには公有地化できないわけですから、どういう基準で公有地化をしていくのか、全く今まで議論がされてきていないので、これはぜひ今後、議会での議論も含めて広く議論した上でないと、農地については、基本的には先ほど申し上げたように生産手段だという一面もあるわけです。単純に環境というだけではなくて、そういう面でどう考えるかということ、やはり十分検討する必要はあるのではないかと思っています。
○大塚委員 農地の価値を認めながらも、やはり条例や計画の実効性や担保がされなかった、なかなか難しい課題もあったとおっしゃっていると思うんですけれども、実効性や担保がされなかった。でも、ここがすごく大きな問題であったろうと私も思います。条例がある、計画がある、そこに農地のことも、優良な農地等とうたわれていたときに、市民はそこに、もちろん信頼し、期待するものですから、それが実際は、実効性もなく担保がされなかったということは大きな問題だと思います。
そして今、市長は、営農するための生産地として、産業の資源としても存続できるような税法の改正、あるいは今度農地法の改正も具体的になってきますので、そのあたりを視野に入れて検討しなければいけないとおっしゃっている、そういうお言葉をいただけたのは大変いいなとは思うんですけれども、実際、私の聞きたかったのもそのあたりで、今後こういったことを、必要だよね、緑として残ってほしいよねと言いながら、実際には幻の緑で、農地はあったわけですから、繰り返さないためにも、実効性のある新たなルールが必要だと思っています。
1つは、営農地としてどうやって存続できるか、また問題が起きたときに、縦割りでなく、どこが受け皿となって受けとめ、評価とか判断の基準をどうしていくのか、そういう具体的なルールやシステムがないと絶対に残っていきませんので、どのような道筋や、議会にも諮るとおっしゃっていたようですけれども、見解のほうは伺いましたが、どのような道筋や見通しをお持ちなのか、もう少しお聞かせください。
△渡部市長 樹林地と違って、農地を保全するということは、新たな政策観点になると思います。これについては、やはりこちらの所管だけではなくて、市民部サイドの問題もあると思うんです、農地を所管しているのは、基本的に農業委員会という問題もありますので。
先ほど申し上げているように、どういう基準で残していくのか、もし購入をして公有地化をした場合に、どう活用していくのか、樹林地はそのまま保全していけばいいわけですけれども、農地の場合は、毎年何らかの形で生産していかなきゃいけないわけだと思うんですよ。そこの辺は、率直に言って、まだ全く見通し等は私も持っていません。むしろ議会での御指導というか、御議論を聞きながら考えていきたいと思っております。
○大塚委員 最後ですけれども、樹林地に、今までは緑の保護といえば、そういったところに特化されていたところもありますけれども、それにしてもやはり緑化の基金はだんだん底をついてきています、5億円ちょっときりない。その中で、やはり市民の財産として農地を含め、これから公有地化の考えがまた出てくることになろうかと思うんですけれども、そのときにこういった基金や、寄附をふやしていくような施策については、金の面ですけれども、何かお考えはおありでしょうか。緑化審議会の委員だったときに、清瀬の事例やら、横浜の事例やらで、提案をしてはいるんですけれども、なかなか突破できませんので、そのあたりを聞かせてください。
△渡部市長 淵の森の対岸緑地の公有地化が議論になったときにも、今後の課題としてぜひ市民の皆さんからももっと協力をいただくような御指導を随分議会からいただきまして、その後、市が直接、寄附集めをするということについてはいろいろ難しさもあるので、受け皿としては、緑を守る市民協議会でぜひ行っていただけないかというお願いをしてまいりまして、ことしの各まちで行われた桜祭りぐらいから緑を守る市民協議会のほうで緑地の保全・保護についての寄附ということをかなり大々的にやっていただけるようになってきています。今後も市としてもそこらについてのPRに努めて、ぜひ、そういう財政的な支援も市民の皆さんからいただく活動を活発にしていきたいと考えています。
ただ、今回の問題もそうですし、淵の森のときも非常にそう思ったんですけれども、我々行政組織としては、全体を考えた中で判断をするところがどうしてもあるわけですけれども、具体に市民の皆さんは、ここの緑を残してほしいというお話で、そのことについては寄附もしますよということなんですが、一般論的な形になると、なかなか難しさを感じています。これらをどうするのか、また今後、起債を起こす場合に、市民にお願いをするとか、いろいろな御提案は随分いただいていますから、それらも含めて検討はしていきたいと考えています。
◎佐藤委員長 ほかに質疑ありませんか。保延委員。
○保延委員 市長、今、その後どうするかというあれだけれども、武蔵村山でやっているNPOのことは知っていますか。NPOで水田を、武蔵村山でやっているという……。知っているかどうか。
△渡部市長 残念ながら、存じておりません。
◎佐藤委員長 休憩します。
午後3時29分休憩
午後3時29分再開
◎佐藤委員長 再開します。
保延委員。
○保延委員 先ほど大塚委員も緑の基本計画の市民会議ですが、質疑しておりましたけれども、何か意見書が出るとか、出ないとかって聞いたんですけれども、これは何か出たんでしょうか、行政側のほうに聞きたいんですけれども。
△小田みどりと環境課長 本日、午前中に出てきました。この内容とすれば、緑のルールづくりみたいな形で、内容的には、もし相続があった場合については、市民協議会なり、緑化審議会にそういうのをかけて、市民にアピールしてくれないかというものが入っておりました。そんな内容で、緑を残してほしいというような内容でございます。
○保延委員 それ手元にありますか。あったら読んでいただきたいんですが。
△小田みどりと環境課長 今ちょっと置いてきたものですから、申しわけないです。
緑の基本計画を実現する会議(緑の市民会議)ということで、今市長からいただきました。緑の市民会議ということで、略して。会長は和田安希代さんでございます。
きょう、諏訪町の田んぼの保全に関する意見書というのをいただいております。長いものですから、最後の提言のところを読ませていただきます。
「設置要綱にあるように、みどりの市民会議に情報提供するシステムを早急につくってください。」「環境の視点から総合的に評価するシステムを構築してください」ということです。「再度、市長が委嘱した「緑の市民会議」を無視することのないようにお願いします。」という形で書いてあります。
○保延委員 市長の先ほどの話も、それから今の緑の市民会議のあれもそうですけれども、この陳情は、東村山の歴史的な、文化的な、何ていう、文化財というんですか、そういうものを守ってくれというあれなんですよね。もちろん農業と深い関係があるので、生産緑地法とか、相続税の問題とか、そういうことが問題になるのは、もちろん関係はあるんだけれども、営農できるように制度を改善してくれとかという陳情ではないんだよね。そういう陳情ではないんですよ。ここの田んぼが歴史的な、文化的な非常に大きな意義があるんだと言っているんですね。
ですから、前回、畑と田と大した違いはないんだ、表紙がちょっと間違っただけで中身はちゃんとしているんだという話もあったんだけれども、これはかなり大きな問題なんですよ、畑か田かというのは、だと私は思うんです。だから、営農一般を産業として成り立つようにしてくれという陳情ではないんですね。だから、そこら辺が市長の話聞いていると、かなりそこが、生産緑地法とか相続税の話とか、そういうのがざあっと延々と出てきまして、歴史的な、文化的な遺産をどう、文化財をどう、何とか守っていこうかという観点がない気がするんです。
それが、緑の市民会議を無視しないでくれという意見書が出たんですけれども、無視というか、そういう観点があれば、決まりが、制度がどうとかということは別にして、当然、こういうところには話がいったと思うんですね。当然、議員にも話が来るし、緑化審、あるいはそういったいろんなところにいって、全市民的な問題になると思うんですよ。どうしてこれが全市民的問題にならなかったかということは、結局、何か営農を続けるために相続税をどうするとか、市長ずっと言っていましたけれども、そういう観点しかないものだから、緑の市民会議に報告すらいかないということだったのではないでしょうか。その辺の反省というものが私は要ると思うんですよ、ただ、制度を何とかしてくれというだけではなくて。
それで、私は再三、市長にここの田んぼとしての、東京を代表する田んぼというのが東村山にあった、それの歴史的な、文化的な意義というものについてどういうふうに認識をしているんだということを聞いたんだけれども、市長は当然それは認識をしているんだ、しているけれども、初めてのことだから、どうしようもなかったという感じですよね。どうしようもなかったって、しないで、もしあれだったら、ここからもう一回出発して、何とかならないかという立場でやりませんか、全部で、市長も含めて。
△渡部市長 生産緑地の買い取り請求については、先ほど大塚委員にも答弁させていただきましたけれども、これは今後の課題としてさせていただきたいと思います。先ほど申し上げたように、緑地保護区域の買い取り請求については、年に1件とか、非常に少ない件数ですから、緑化審等でタイミングとしてお諮りというか、報告することはできますけれども、生産緑地は年間20件近く出るわけで、しかも時期は決まっておりません。随時買い取りの請求が出てきますので、それらを技術的なことも踏まえてどうするのか。
もう一つは、やはり個人の財産の問題ですから、個人情報の保護の観点としてどうするのかということは考えたいと思います。ここはどういう機関に、どういうふうな報告をすべきなのかということについては、今後の課題とさせていただきたいと思っております。
もう一つは、先ほど来申し上げたように、農地をもし公有地化するとなると、市として新しい一歩を踏み出すわけです。そこについては、十分な議論がないと、保延委員は確かに歴史的、文化的な価値があるんだとおっしゃる。私もそれは理解はできますが、先ほどもあったんですが、15万市民という市民の中で、そこは随分慎重にしていかなければならないのではないかと思っています。
このことは淵の森の対岸緑地を取得するときにも、私としては、ここは公園の指定もかぶっていないし、以前から緑地指定保護区域でもなかったところをあえて買うのは、なぜ買うのかということについては、対岸の緑地を宮崎さんからかなりの金額をいただいて公有地化をした経過を踏まえて、一団地としてみなせるから、川の両岸を緑地として保護していく必要性を感じて、当市としては公有地化に踏み切ったという話を随分させていただきましたけれども、やはり公有地化するということは、それなりに手続としてもしっかりしたものでなければならないし、考え方もきちっとしたものがないと、それぞれの主観だけで判断することはどうなのかなと言わざるを得ないところがあります。私個人は非常に思い入れもないわけではありませんが、ただ、それだけで当時3億円、今3億円までするか、地価が下がっていますからわかりませんけれども、公費を投入するということについては、やはり慎重にならざるを得ないと考えております。
○保延委員 それは慎重にやるんですけれども、私が言っているのは、そういう歴史的な、文化的な文化財としての価値というものに考えていなかったから、考えていなかったからというとちょっと言い過ぎかもしれないけれども、そういう観点がなかったのではないかという意味なんですよ。
例えば、この起案書についての行政側の所見を見ても、所見なしですよね。要するに、何とか文化的な価値を考えて保存したいけれども、今の制度の中ではどうしようもない、今後検討しなくちゃいけないとかって、そういう所見もないですね。所見なしだもんね。ただ判こがぽんぽんとあって、所見という欄があるんだけれども、所見なしですよ。
だから、このときにそういう文化的な価値というものについて思いが至っていないんですよ。そこが私は反省点ではないかなと思うんだけれどもね。つまり、我々が全く知らない間に手続が進んじゃって、もううちが建ちそうだということに至った原因というのはそこにあるのではないかということなんです。生産緑地、確かに淵の森とは違いますよ。それは確かにそうです。買った後どうするかということも、確かにそれは市長言うようにあるんですよ。あるんだけれども、庁内手続が、何ていうか、そういう考え方がないといいますか、文化財を何とかならないかという、市長は何とかならないかと考えていたかもしれないんだけれども、行政全体としては、何とかならないかということで努力した跡が認められないんだけれども、私には。いろいろ努力したけれども、結局は新しい制度をいろいろつくらなきゃならないから、買えなかったということでしょうかね。そこら辺が、ちょっと努力の跡が見られないというか……。
△渡部市長 現行の制度上で、当市としての買い取り請求に対しての対応については、私どもとしては、不備はないと思っています。
ただ、先ほど来申し上げているように、農地を公有地化するというのは、新たなステージに入るということです。これについて、申しわけないですけれども、保延委員からも今までそういう議論を聞いたこともないし、我々もそういう認識も持っていなかったということはあるかもしれません。ですから、今後の課題としていきたいと、先ほど来申し上げているとおりでございます。
○保延委員 しかし、市長は2年前に何とか残していきたいと言っているではないですか。だから、市長は何とか残していきたいということで、これを新しい制度をつくらなきゃならないとか、あるいは緑の基本計画とか、そういうところに相談するとか、いろいろな方策があったのではないかということを聞いているんだけれども。
△渡部市長 これも先ほど来申し上げているとおり、そのときは、東京の農業、業としての農をどう維持するかという議論をしているつもりです。先ほど申し上げたように、税制の問題とやはり産業として成り立つようなことを自治体としても追求していく必要があるということを申し上げているわけであって、公有地化するという話は全くそのときの議論として言っているつもりはありませんので、そこは誤解のないようにぜひお願いしたいと思います。
◎佐藤委員長 ほかに質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
◎佐藤委員長 それでは、前回の委員会の中で、この土地について、事業が進んでいるということも含めて、余り結論を延ばさないほうがいいと考えますということで話をさせていただいた経過があります。
それで、きょう陳述人の方にもお話をいただき、休憩中ですけれども、市長にも出席をいただいて確認をしてきました。経過を確認してきていますので、私としては、これ以上、質疑がなければ、あるのであればあれですし、ただ、経済行為が伴っていることですし、見通しがないのに引き延ばすことはできないと判断しているんですけれども、傍聴人からの意見、それから資料含めて、今後これを継続して議論していくことで、そのことにプラスがあるというか、実際そのことに意味があるという御判断があれば、またそれは考えたいと思うんですが、私としては、前回もお話しさせていただきましたけれども、そう判断をさせていただきたいと思っているんですが、御意見をこのままの状態で伺いたいと思いますので、今後の進め方について特段、御意見があったらお出しいただきたいと思います。
保延委員。
○保延委員 この貴重な文化財と考えて、何とか残していきたい、この考えは多分、この会場にいるすべての人の考えではないかと思うんですね。何とか残していけるものなら残していきたい。
ただ、もうここまで来ちゃったら残せないという意見と、私は、それにはちょっと、新しく水田をつくるということもあるぐらいですから、ここまで来ちゃったらまずい、できないという考えには、私はくみしないんだけれども、しかし、それにしても、もしできるものなら残したいというのが全員の意思だと思うんですよ、市長も含めて。ただ、市長は、財政的にとても無理だ、あるいは制度的に新しいことを考えなきゃならないから、当面は無理だ、今後の課題だということだと思うんですね。
ですから、私としては、ここでこれを採択、不採択、結論を出してしまうよりかも、何かいい方法がないかということで、行政も含めてもっと協議をしていくということがいいのではないかなと私は思うんですけれども、あるいは、委員としてももう少し委員同士の議論をしたいなとも思うんです。本当に復元不可能か、確かにかなり大変ではあるけれども、不可能ではないですよね、大変ではあるけれども。そういう場合に、ここで採択、不採択としてしまうと、これはどうかなと思うんです。これは、大事な局面です。もっと、これであと半年、1年進んだら、それこそ復元不可能になると思うんですよ。もし復元をするとしたら、最後のチャンスではないかと思うんですよ。そのときに、復元不可能だという結論を出しちゃうと、どうなのかなと私は思うんです。
では、どうするんだと言われると困るんですけれども、ここで決をとってしまうということについては、どうかなと私は思います。
◎佐藤委員長 ほかに御意見ありませんか。北久保委員。
○北久保委員 この件に関しましては、やたらとというのではないんですけれども、長引かせることはよくないと思います。実際工事は進んでいますし、とめるんだったらとめる、あるいは、進めるんだったら余り長引かせないで結論を出したほうがいいと思います。
(発言する者あり)
◎佐藤委員長 傍聴席は、もう一度申し上げますけれども、委員長として申し上げます。傍聴席はもう少し考えて発言していただけませんか。
保延委員。
○保延委員 私も長引かせるのがいいと言っているのではないんですよ。長引かせるのがいいと言っているわけではないけれども、ここは復元の可能性というものをなくしちゃうかどうかの最後の地点なんで、もう少し慎重にやったほうがいいのではないかという意味なんですよ。長引かせろということではないんですよ。復元の可能性がないという、北久保委員はないという判断で、復元の可能性がないものを長引かせてもしようがないからここで結論出せということでしょう。私は、復元の可能性がないと言い切れるかなと思うんですよ。確かに2年、3年かかるかもしれません。それから、かなりの努力が要るかもしれません。財政的な問題もあります、もしかして買い戻し、それから、業者が、確かに売ってくれるかどうかということもあると思う。
だから、そういう可能性で、もう一段の努力をするということが必要だと私は思うんです。それで、ここは市長にもう一段の努力をお願いするという、検討というか、見直しというか、そういう議会の決議したらどうかなと私は思うんですけれども。二元代表制ですから、市長の考えは市長の考えってあるけれども、しかしもう一回、もうだめだとしないで、もう一回努力してくれないかという結論でどうでしょうかねという感じがするんです。
◎佐藤委員長 保延委員が2回の質疑を通してそういう理解に立たれているということはよくわかりました。当然2回質疑をして、これだけの時間をかけてきましたので、それぞれが、それぞれの見解をお持ちのことだと思いますので、それを踏まえて、進め方について、御意見があったらお願いします。
山川委員。
○山川委員 現状よくわかって、ここにいらっしゃる方はわかっていると思うんですけれども、地鎮祭も済んでおりまして、区画が切られて、買うというか、そういう予定の方もいらっしゃるように伺っておりますが、そういう中で、今、保延委員がおっしゃったような形で、では、もう少し待てばどうにかなるのかということがあれば、私はいいと思うんだけれども、現状からいうと、時間がたてばたつほど事態は復元不可能になっていくと思うし、また、さらに畑に戻すのではなくて、田んぼに戻すというのは、時間もお金もかかるんですね。この地域ばかりでなく、まだ残っている田んぼのことを考えたときに、やはり田んぼは残すべきだ、これは全員の意見だと思いますけれども、今、民間に売られてしまったこの場所を、さらに区画に切られて、地鎮祭も済んだ、それで買う予定の人もいるやに聞いているこの場所を、では、どこが、市がお金を出して買い戻して、そして今度は田んぼとしてだれが営農していくかということになると、今、営農が大変だから、また宅地並み課税が大変だから手放すことになった、もともと持っていた農家の方の思いを思うときに、本当に切ないのではないかなと思っております。
今、ここで期間をまた、この次に結論を先送りすることがいいか、悪いかはともかくとして、このままだと署名をしてくださっている多くの方々の気持ちが、また何とかなるのではないかと思われるかと思うと、私もそこのところはとても切なく思いますので、今回、結論を出すということを要望いたします。
◎佐藤委員長 ほかにありませんか。大塚委員。
○大塚委員 私も保延委員がおっしゃっていることが全くわからないというわけではないんですけれども、やはり具体的な解決の道筋が今ちょっと見えず、これは先延ばしに過ぎないということは無責任なのではないかなと思います。
やはり、現実は、分譲が始まっている中で、今の進み方をストップできない限り、なかなかさまざまな可能性も難しいし、手続的に今まで新たな受け皿も、ルールもなかったものを、構築しなければいけない、そのための時間も結構かかるんだろうなと思うんです。そのあたりで、やはりこれからのルールづくりやシステムの構築を早急に進めていく、そのほうに私は強く期待するんです。
◎佐藤委員長 保延委員からはもう少しやったらどうかという意見がありました。先ほど申し上げたように、現実的にこの議論の中で一番欠けているのは、本当の当事者がいないということだと思っています。土地の所有者がいません。いないところで議論しているという状況で、土地の所有者の意向がわからないということが先ほどわかりました。金額もわからない。その中で、議会がどういう形でこれを、つまり保延委員がおっしゃるように、仮に市長にもう一段努力を求めて、市長がとめたときに、何を担保にとめるのかということについて、いつまでに市が幾らを用意するからとめるという話があれば別ですけれども、それがない中で、市長にそれをとめることを求めるということ自体、委員長として聞きたいですけれども、それをどういうふうに可能にするんでしょうか。そこをちょっと確認させてもらえますか。
つまり、全く私たちも責任のない議論はできないので……
○保延委員 いや、だから市長も言っているではないですか。市長も陳情者と会ったときに、市長としてはこれ買い取りできない、できないかもしれないけれども、二元代表制で、議会の意見はまた別だから、陳情を出してみたらどうかって、それで出てきたんでしょう、これ。
◎佐藤委員長 市長がどうではなくてね、保延委員としてどう続けられるかということなんですよ。
○保延委員 我々のあれとしてはね、田んぼを残したいと、これはもう共通なんですよ。ただ、あそこまでいっちゃったらもう復元不可能だと考えている方がいらっしゃるんですね。あるいは、では、買ったとしたって、だれが営農するんだ、それは、例えばさっき市長は知らないと言ったけれども、武蔵村山の六道山公園内の岸田田んぼでは、募集したら700人の応募があって、それを49人に絞ってやったということですよ。ですから、これ市長は知らないと言うんだけれども、貴重な文化財として残した場合に、新たな道がまた開かれるんですよ。それきょう開かないと結論出しちゃうよりかも、議会としてはもう一回、田んぼとして何とかならないものか、市長に御努力をいただきたいということですよ。
その結果、何とかならないということもあるかもしらんけれども、だからきょう採択、不採択ってやっちゃうのは、皆さんだって、不採択というと、最終的にあきらめちゃうということですよね。
そういう決断をしていいんでしょうかということを言っているんですよね。それよりかも、もう一段の努力を、あらゆる方策を考えてもらえませんか、市長。そういう結論にしたほうがいいのではないかということなんですよ。
◎佐藤委員長 今も休憩をせずにずっと議論させていただいています。どういう経過で議論を積み重ねていくかということをきちんと私も残したいと思ってこういう形で進めさせていただいているんですが、私としては、延ばすということについていうと、先ほどの繰り返しになりますが、民地ですので、実際、経済行為が進んでいるので、確たるものがないと、それを理由に、どんどん売られ、それはそれで進みますから、進んで、宅地が建ち上がっていく、それでも構わないから議論しようというお立場であれば、それはそれでわからんではないんです。ただ、それはなかなか通らないのではないかと思うので、私も現地を見ていますが、そういう中で、議会が引っ張っていくと、見通しなく議論を引っ張っていくということについて、私も承諾しかねるというところがあります。
保延委員として、逆に言うと、先ほど復元ができるという話もあったけれども、見通しがないと、この先の議論につながっていかないというのは、一般論としてもそうだと思うんですよ。それについて、今御意見ありましたけれども、私たちこうやって預かっている以上は、さっきもうちょっと引っ張ってだめかもしらんけれどもとおっしゃったですけれども、それはやってみなきゃわからんという意見かもしれないけれども、課題幾つかありますね。まずこういうものを担保するというか、保全する仕組みがないんだというのが先ほどからの話として、私たち議会も、現状ではそういうルールとしてはないということについては確認をしてきていますね。
それと、当事者のお金についてわからないということ、幾らかかるかという点での金額が、それでも大きな金額になるとそういう中で、これを先延ばししていくというか、もう少し引っ張るというのは、相当な理由がないと引っ張れないなと思うんですよ、率直に言って。
○保延委員 聞いてみないとわからない。
◎佐藤委員長 だれにですか。だれに聞くんですか。
○保延委員 業者に。もしかして、文化財として貴重な意義があるので、もしかして市や、あるいはその他の団体なり何なりで、そこを買い取るといった場合に、協力いただけますかって聞いてみる必要ありますよね、少なくとも。いや、それは絶対だめだって言われちゃしようがないんだけれども、そうですか、では、そういうことならなるべく協力しましょうと言うかもしれませんよね。
だからっていって、また今度、では、幾らかっていうことがまた次に来るんだけれども、そういうことしないで、それは無理だよって、きょう結論しちゃうというのはどうかというのが私の考えなんだけれども。
◎佐藤委員長 前回、金額の話が出ました。だれも答えられる話ではないので、どうしようかという話で、もちろん業者の名前が出たので、業者を呼ぶという道だってなかったことはないと思いますが、特段そういう御意見もない。私としては、それは難しいのではないかと考えて、陳情者の方にそこも含めてお話しいただくことにしましょうとお話ししたつもりです。きょうその話が一定程度あったと思うんです。
それは、3億円なのか5億円なのか、7億円なのか、そこはわからないですけれども、数千万円だということにはならない。そこについては一定程度話があったと思うんですね。そういう中で、この段階で業者を呼ぶべきだという今の話ですが、そういう御発言があってね、業者呼ばなきゃわからんだろう、わかって聞いて、金額がわかったら、では、そこからもう一回幾ら必要なのか、わかった、しかも業者がそれで、金額がそろえばすぐとめるという話があるかどうか、全部セットになっていると思うんですけれども、そこも含めて、私としては、17日に一度やらせていただいて、その段階で同じような疑問点はあったわけだから、そこで話をしていただきたいと思ったし、きょう開いたのは、通常は8月の半ばの予定だったけれども、先延ばししないことが望ましいということで急遽10日後に日程を入れさせていただいたというのは、この間、傍聴者の方みんな見ているとおりです。
ですから、これを延ばさないためにきょうやったんです。そこを踏まえて、もう一度ちょっと考えていただけないかと、私はそう考えるんですけれども、保延委員、意見があったらもう一度言っていただいて結構です。
○保延委員 もうあそこまで進んでいるので、早くやらなきゃならないというのは、私もそのとおりだと思うんです。ですから、前回やって、次は9月だっていうのでは、それはとてもだめというのは、私もそのとおり思っています。
それで、前回と今回と2回やってみて、私はこれで復元不可能だという結論をきょう出しちゃうというのはちょっといかがなものかなというのが考えなんです。それで、先ほど言ったようなことなんです。
◎佐藤委員長 休憩します。
午後4時4分休憩
午後4時10分再開
◎佐藤委員長 再開します。
今後の進め方についてですが、委員の中で意見が、なかなか合意形成が図れないという状況だと判断をせざるを得ないと思います。それで、きょうここで採決を諮るということについての可否を問わせていただきたいと思います。
お諮りいたします。
本日、21陳情第1号について、この後採決を諮るということについての、賛成の方の挙手を求めます
(賛成者挙手)
◎佐藤委員長 挙手多数と認めます。よって、そのように進めさせていただきます。
以上で質疑を終了し、討論に入ります。
討論はありませんか。北久保委員。
○北久保委員 自民党・自治クラブを代表しまして、討論させていただきます。
環境建設委員会に付託される前に、議会運営委員会においても、委員会に付託することに関しましては、賛否がありました。委員会で田んぼそのものを復元することに関しては、否定的なことは議員共通の認識でありました。陳情を常任委員会に付託することは異例なことであります。何ゆえに復元できないことを認識しながらも、陳情を委員会付託したのか。今、開発されている場所の両脇に、それぞれ違う地主が田んぼを所有しています。田んぼは農地であることから、生産緑地指定を受けています。その転用に関しては、今回同様に行政に買い取り申請が第一義に優先されますが、財政事情等により買い取りできない場合、農業委員会で転用の手続が開始されます。
問題となっています田んぼもすべて手続どおり行われ、今回に至りましたが、この一連の手続については、議会が関与する機会がないことから、今回その手続を含め、所管の緑地に関する考え方を確認したかったこと、また、生産緑地と雑木林のような緑地との関係を議論し、認識したかった事情等のために委員会に付託されたものです。
よって、陳情が委員会に付託されましたが、現行の田んぼを復元する目的で付託されたことではないことから、不採択といたします。
◎佐藤委員長 ほかに討論ありませんか。山川委員。
○山川委員 21陳情第1号について、公明党を代表し、不採択の立場から討論いたします。
新鮮な農産物の供給や農業体験の場など、多面的な役割のある都市農業でありますが、現実には担い手の問題を初め、農地保全や農業継承をめぐって、現行制度のもとで都市農業を継続することの難しさを訴える声も多く伺っております。
これからの市街化区域の農地を保全できる制度や都市農地の相続のあり方、税制の構築などの中・長期的な国の補助制度創設、区市町村の都市農業支援への国の積極的な財政措置を求める要望を続けていく必要を感じているところであります。
当該土地について、現状は皆さん御存じのとおり、宅地化され、16戸と区画されて販売されております。陳情者の田んぼを残したいとの思いはよく理解できますが、開発業者からの買い取りは難しい実態であります。その上、一定の手続による多くの市民合意が図られると思えない当該地の買い取りについては、厳しい現状であると認識いたします。
また、田んぼについては、前回の委員会や今回の市長の答弁の中で、市の基金で北山公園内の田んぼを残すための取得計画もあるやに伺いました。今後の課題として、残る諏訪町の田んぼや北山公園の田んぼが残るよう要望し、不採択の討論といたします。
◎佐藤委員長 ほかに討論ありませんか。保延委員。
○保延委員 21陳情第1号について、賛成の立場で、採択すべきとの立場から討論をいたします。
陳情では、1、本件は狭山丘陵八国山の南面にあり、八国山に降った水を集め、これまで長い歴史を営々として耕作されてきたものであること、2、宮中大嘗祭に東京都を代表して献穀され、JA東京50年史にも取り上げられた、つまりは東京を代表する田んぼでもあったこと、3、JA東京のホームページでも、トトロの森のふもとの田んぼとして紹介され、子供たちを呼んで田植え体験を行うなど毎年多くの行事が行われ、市も積極的に水田を守ろうとしていますと報じていたということ、4、本件田んぼで、07年6月には国会議員や渡部市長も参加した田植え体験会が行われ、このとき市長は相続税の問題もあるが、農地は防災など多面的な役割を果たしており、できるだけ残していきたいと発言をしていたことなどを述べております。
陳情理由では、こうしたことから本件田んぼは狭山丘陵地の緑の一部を構成していると同時に、稲作の日本文化を継承するものであり、未来に残したい貴重な文化財であるとしております。また、北多摩地域一体でほとんど唯一残された水田でもあり、地球温暖化防止や環境教育などの実践の場でもあるとして、本件田んぼを保全すべき意義を述べております。
私は、これらの陳情理由に全面的に賛成するものであります。まさに、東村山市として残すべき歴史、文化、伝統、環境の貴重な田んぼであり、これからでも保全をし、継承するために可能な努力をするべきであると考えます。また、そうしたことの教育の場としても何とかして残せないかと思うものであります。
一部に、ここまで宅地造成が進んでしまっては、復元は無理ではないかとの御意見があります。しかし、問題は、残すべき田んぼであったかどうかということです。そのこと抜きにここまで進んじゃったから仕方がないという考えはいかがなものかと思います。
個々の分譲が完了して戸建て住宅ができてしまってからでは、確かにもう無理という考えもあるかと思いますが、まだそこまではいっていない、いわば今が引き返す最後のチャンスではないかと思うわけであります。かつて北山の保全でも、近くは淵の森の八郎山でも何とか保全してきたわけであります。努力の余地はまだあると考えます。
現在の所有者は、市から話があれば検討するという姿勢を示しているようであります。ですから、これからでも東村山市は本件田んぼを残すためにあらゆる努力を払っていただきたく、本陳情に賛成の討論といたします。
◎佐藤委員長 ほかに討論ありませんか。大塚委員。
○大塚委員 今回の陳情によって減少していく緑への保全策、農地を含めた対応というものに現実的な歯どめを持たない市の施策の課題が浮き彫りとなり、今後の緑の環境保全のあり方に向けた問題提起となりました。良好な農地をまちの資源として、緑の環境として保全するための新たな仕組みや実効的なルールを構築する必要があることを強く認識させられました。
緑の保護と育成の条例や、緑の基本計画、都市マスタープランにうたわれていても、所管の縦割りに見るように、施策を実現させる装置や受け皿がなかったというのでは納得できるものではありません。条例が具体策を持たない理念であるだけでは意味をなさず、信頼を欠きます。農地が優良な環境、まちづくりに欠かすことのできない緑の環境であることを条例に認めながら、生産緑地指定にとどめ、都市計画上の優先課題ではない、指定区域ではない、保全すべく網かけがされていないという説明は、緑地保全に対応する包括的、総合的な評価・判断する視点を持たず、やはり詭弁に聞こえてしまいます。
もちろん、個人的な事情、農地や相続、税制度などの現行の法制度では解決できない課題も多いことは事実だと思います。しかしながら、できない言いわけではなく、実現のための工夫こそが必要であり、それをもって、市民は条例を信頼し、よりどころとして期待するのです。
また、市長が以前話された農地の保全に関する言葉が一般論に過ぎないとすることは、条例を形骸化することであり、個別課題についての説明責任を果たせたとは言えません。絵にかいたもちであってはならないのです。条例や緑の基本計画や、マスタープランの実現に向けた取り組みが所管を越えて可能となるような流れやシステム、受け皿を構築することをここに強く求めるものです。
また、田んぼの買い取りに関する起案文書の記載が間違っていたとする点は、田んぼも畑も、価値については同等の意味があると、私は前回の委員会でも申し上げました。価値の優劣にかかわることではなく、記載を間違えていたという緊張感のなさをどう理解せよというのでしょうか。修正もなく、理事者を初めとする方々が押された印鑑の重さや意味についてもどう理解せよというのでしょうか。
しかしながら、所有者の事情や、既に民間の事業者が造成、宅地として分譲されている現実は重いものがあり、また、手続的にも評価や基準づくりなどの議論、時間が必要です。そういった現状の受けとめも必要だと思います。無責任に買い戻せ、田んぼに復元せよとは言いがたいものがあり、田んぼとして保全せよという陳情の大意には沿えないものです。緑化審議会や緑の市民会議のような緑の環境の保全や緑の基本計画実現のため、明確な設置目的を持つ場に対し、情報提供や説明を避けることなく、市民参画の場をこれ以上形骸化することのない実質的な議論の場とする工夫を求めるとともに、条例や計画、マスタープランとの整合性に努め、実効性を保障するために、施策を具現化するための新たなルールやシステムの構築、受け皿の確保を強く要求し、この陳情については、不採択とします。
◎佐藤委員長 以上で討論を終了し、採決に入ります。
21陳情第1号、本陳情を採択することに賛成の方の挙手を求めます。
(賛成者挙手)
◎佐藤委員長 挙手少数であります。よって、本陳情は不採択とすることに決定いたしました。
なお、お諮りします。
本陳情の委員長報告について委員長に御一任いただきたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎佐藤委員長 御異議なしと認めます。それでは、そのように進めさせていただきます。
次に進みます。
―――――――――――――――― ◇ ――――――――――――――――
◎佐藤委員長 以上で本日の環境建設委員会を閉会とさせていただきます。
午後4時26分閉会
東村山市議会委員会条例第30条の規定により、ここに署名又は押印する。
環境建設委員長 佐 藤 真 和
このページに関するお問い合わせ
議会事務局
〒189-8501 東村山市本町1丁目2番地3 市役所本庁舎5階
電話:市役所代表:042-393-5111(内線3905~3906)
ファックス:042-397-9436
この担当課にメールを送る(新規ウィンドウを開きます)
議会事務局のページへ
