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政策総務委員会行政視察結果報告書

更新日:2011年2月15日

1.実施日

平成19年10月31日(水曜)から11月1日(木曜)

2.視察地

3.目的

(1) 阪南市 : コンビニ収納について
(2) 岸和田市 : 自治基本条例について

4.出席者

島田久仁委員長、肥沼茂男副委員長
田中富造、木内徹、山川昌子、薄井政美各委員
(欠席……矢野穂積委員)
随行職員 : 南部和彦議会事務局調査係長

視察メンバーの写真
視察メンバー(左から肥沼、薄井、島田、木内、田中、山川)

5.視察結果報告

(1)阪南市

【阪南市の概要】
阪南市は大阪府の南部・泉州地区の南西に位置する大阪最南端の市である。泉州地区は東京都の多摩地区に似ており、中心部である大阪市のベッドタウンとなっている。
北を大阪湾に面し、南を和泉山脈と接し、和泉山脈から流れ出る河川が形成した平野部が古くから生活の場となっている。主な産業は紡績、近海漁業など。かつては日本酒の生産地として名を馳せ、造り酒屋が6軒もあったのだが、現在は「浪花正宗」という地酒を出す「浪花酒造有限会社」のみとなっている。
昭和47(1972)年10月に南海町と東鳥取町が合併し、阪南町が誕生。そして、平成3(1991)年10月に市制を施行し、阪南市となった。大阪府の中で33番目にできた最も新しい市である。
人口 5万8545人 世帯数2万2122世帯
面積 36.10平方キロメートル(2007年11月1日現在)

【視察の目的】
東京都心部のベッドタウン・多摩地区にある当市は、大きな企業がなく、市民からの税金が重要な歳入源になっている。しかしその徴収率は上がっているとはいえ、東京都26市中24位(平成18年度)と低く、徴収率アップが課題となっている。人口こそ東村山市の半分以下だが、阪南市のおかれている状況は当市と酷似しており、徴収率アップの一環として導入したコンビニエンスストアでの市税の収納について、導入の経緯と効果を学ぶ。

【視察概要】
 コンビニ収納の説明を聞く前に、岩室敏和市長が約1時間、阪南市の市政について自ら解説。2000年に市長就任して以来、「市政に徹底した経営感覚の導入」「市役所は最大のサービス業」「市民参画市政の推進」……この3つを市政経営方針とし、「首長は経営者である」という考えからトップダウンスタイルで市政に取り組んできた。コンビニ収納もその経営方針から岩室市長の指示で導入が検討されたという。

市政方針について語る岩室市長の写真
市政方針について熱く語る岩室市長

コンビニ収納についての具体的な説明は草竹靖典納税課長にしていただいた。

(1)導入の目的
 平成17(2005)年早々、岩室市長から「平成18年にコンビニ収納の導入を」という指示があり、検討。導入を前提にメリットとデメリットを挙げ、目的を明確化した。
 メリットとして挙げられたのは以下の通り。
*休日・夜間を問わず、全国のコンビニで24時間納付が可能となるから、住民へのサービス向上が図れる。
*若年層のコンビニ利用の活発化に伴い、軽自動車税の収納率アップが図れる。
*金融機関で払うより待ち時間が短縮される。
*滞納者の時間的制約、納付制約の言い訳防止効果。
*データ伝送による消し込み処理の効率化。
*収納データの速報値により、督促状など行き違い文書の減少にかかる郵送費用の軽減。
 デメリットとして挙げられたのは以下の通り。
*納付書1枚あたりの取り扱い手数料が割高であること(窓口納付が無料、口座振替が1件あたり6円なのに対し、コンビニ収納は1枚あたり55円)。
*納付書1枚あたりの金額が30万円未満しか納付できない(これはコンビニ協会が定めた防犯上の理由から)。
*収納した公金の振替に時間を要する(銀行振込の場合、収納後5日程度で入金となるが、コンビニ収納の場合は入金までに10日から14日程度要する)。
*納付書の使用変更に伴うシステム開発費用の発生。
 以上の点を検討した上で、「近年のライフスタイルの多様化や社会情勢の変化に対応し、納税者の利便性の向上と、滞納者の時間的制約、納付制約の言い訳防止を図る」という目的を導き、コンビニ収納導入に取り組んだ。

(2)業者の選定
 平成17年6月、仕様書(案)を作成し、プロポーザル方式で委託業者を選定することを決める。
 平成17年7月、プロポーザル方式による入札を執行。3業者から企画提案書の提出があり、選定委員会で委託業者をりそな決済サービスに決定する。
 契約期間は平成17年10月から平成21年4月まで。予算関係は、平成17年度は本予算で措置し、平成18年度以降は債務負担行為として9月議会に上程。

(3)導入と効果
 平成18年2月から市民税、固定資産税・都市計画税、軽自動車税のコンビニ収納を実施。当初は4月からの予定だったが、試験を兼ねて納付者・納付金ともに少ない時期からのスタートとした。
 平成18年度にかかった費用は以下の通り。
 コンビニ収納情報取り扱い手数料 984,921円
 コンビニ収納業務委託料 189,000円
 電算処理委託料 1,207,080円
 印刷製本費 770,175円
 計 3,151,176円
 利用状況は、市民税では20.97%、固定資産税・都市計画税では12.07%、軽自動車税では22.09%の利用率。トータルでは16.55%がコンビニで税金を納めた。
 徴収率は平成17年度の88.75%から、平成18年度は89.51%と0.76ポイントアップしている。
 また平成18年5月1日から平成19年5月31日までのコンビニ収納件数、2万5358件を分析したところ、銀行が営業していない平日の午後3時から翌日午前9時までと、土・日曜・祝日の利用者は合わせて64%だった。納税者の利便性向上は明らかで、実際、共働きの人などから「便利になった」という声が寄せられている。
 ちなみに阪南市内にあるコンビニは16店である。また、大阪府下の市町村でコンビニ収納を導入または導入予定しているのは18市である。

(4)今後について
 将来的には国民健康保険料と水道料金もコンビニ収納できるようにしていきたいとのこと。
 また、納税者の利便性向上をさらに図るため、現在、阪南市ではクレジットカードによる収納、パソコンや携帯電話で手軽に支払えるマルチペイメントネットワークによる収納を検討している。

【考察】

 大きな企業がなく、大幅な歳入増が見込めない東村山市では、以前から市税徴収率のアップが課題となっている。これまでも多くの議員がコンビニ収納の導入を訴えてきたが、財務部では「納税者の利便性の向上」というメリットは認めながらも、コストの面から導入をためらってきた。かけた費用に見合うだけ徴収率が上がるかどうかは未知数だからだ。それゆえ手数料の安い口座振替による納税を進めてきた。
 確かにコンビニ収納導入が徴収率アップにつながるとは、一概には言えない。実際、阪南市では平成18年度は全体で16.55%の利用があったものの、「コンビニの方が手軽だから」と今まで銀行や窓口を利用していた人がコンビニ納付に切り替えたケースも十分に考えられる。阪南市の納税課でも「コンビニ収納が、0.76ポイント徴収率アップの要因の1つであることは間違いないが、その効果がどれくらいなのかはわからない」と話している。しかし「効果はあった」と納税課長は次のように話した。
「利便性はかなり上がったと思いますが、それ以上に滞納の言い訳防止の効果があった。これまでは平日の夜や土・日曜・祝日は納付できなかったから、『払いたくても窓口が開いてないから払えない』と言い訳する人がいたけど、24時間いつでもコンビニで払えるようになったら、もう言い訳できませんから」
 阪南市は以前から口座振替を推進し、大阪府内で3番目の口座振替加入率を誇っているのだが、それでもコンビニ収納を導入した。その背景には財政事情を少しでも改善しようという考えがあったからだが、それ以上に今回のコンビニ収納導入の決め手となったのは、「市役所は最大のサービス業」という方針をもとにした岩室市長の強力な指示だ。納税課の人も話していたが、阪南市では現在、岩室市長からトップダウンで政策が決まり、進んでいるという。独善的なトップダウンは困りものだが、メリットとコストを天秤にかけて迷っている段階の東村山市のような場合、最後は市長の判断がものを言う。庁内におけるコンビニ収納の論議はすでに尽くされた観があるので、今後は当市の渡部尚市長の判断でぜひ導入に向けて進めていただきたい。
 東村山市においては0.5ポイント徴収率が上がれば、約1億円の増収となる。ということは、0.1ポイントのアップでコンビニ収納導入の費用は簡単に回収できる。市の財政のためにも、市民へのサービスという点においても早期の導入を検討すべきと考える。渡部市長の判断に期待したい。

(2)岸和田市

【岸和田市の概要】
 岸和田市は阪南市と同じく泉州地区に位置し、北は大阪湾に面し、南は和泉山脈に至り、南北に細長い。江戸時代、岸和田藩の城下町として栄え、明治になってからは紡績工業都市として発展。昭和40年代には臨海部の埋立地にコンビナートや工業団地が建設された。その一方で農業や漁業も盛ん。古くから「城とだんじりのまち」として親しまれている。
 岸和田市となったのは大正11(1922)年で、大阪府で3番目に市制を施行。平成14(2002)年に特例市に昇格した。
人口 20万4335人 世帯数8万264世帯
面積 72.24平方キロメートル(2007年11月1日現在)

【視察の目的】
 自分たちのまちは自分たちでつくろうという、まちづくりのルールである自治基本条例を制定する自治体が増えてきている。東村山市でも制定を考えているが、制定した多くの自治体は市民とともに丁寧に条例をつくりあげている。岸和田市もその例外ではなく、平成14(2002)年9月から2年3カ月かけて市民と協議し、岸和田市自治基本条例つくりあげた。制定までの進め方とその条例内容を学ぶ。

【視察概要】
 西川照彦企画課長に経緯などを説明していただいた。
(1)制定のきっかけ
 平成14年が市制施行80周年であり、この年から新たに特例市としてスタートを切ったことで、大阪府で取り扱われていた事務の一部が岸和田市の責任で行われるなど、市の果たすべき役割が大きくなってきた。また、市の第3次総合計画では「市民自治都市の実現」を目指して、新しいまちづくりのシステムとしていろいろな取り組みをするべきと明記されていることから、自治基本条例の制定に踏み切った。
 制定するにあたっては、行政主導ではなく、市民委員が中心になって一から条例案づくりを行っていく方法を採用することにした。

(2)制定の経緯
 平成14年9月9日……企画課を中心に総務管財課、自治振興課、改革推進室が出席して事務局スタッフ会議を開催。以後4回の会議で、制定の進め方、市民委員の選考方法などを決める。
 平成15年1月23日……第1回自治基本条例策定委員会を開催。すでに応募総数32人の中から会議参加委員17人、通信委員10人、計27人の市民委員を決定。策定委員会には会議参加委員と4人の学識経験者委員が参加。学識経験者委員は元新聞社編集委員、大学教授、弁護士などで、役割は専門的な立場から市民委員に指導・アドバイスを行うこと。策定委員会はあくまでも市民委員が中心であり、市民委員が一から条文づくりを行う。ちなみに「通信委員」とは、「策定には関わりたいが、時間的に制約があって会議に出席ではない」という声に応えるために設置。策定委員会で配布した資料を送付し、FAXやメール、文書で意見を提出してもらう。
 平成15年2月10日……策定委員会の活動を報告する「じちじょうれいにゅうす」第1号を発行。以後、第14号まで発行される。
 平成15年8月15日……自治基本条例市民アンケートを実施(から9月12日)。724通の回答が寄せられる。このほか市民の意見を積極的に取り入れる姿勢から、平成15年4月と平成16年8月にパブリックコメントを実施。
 平成16年2月27日……第13回自治基本条例策定委員会で条文原案を作成。
 平成16年7月26日……第23回自治基本条例策定委員会で条文素案がまとまる。
 平成16年10月6日……策定委員会としての条例案が決定し、市長へ報告。
 平成16年12月6日……市としての自治基本条例案をまとめ、議会に上程。
 平成16年12月10日……本会議において満場一致で可決。
 平成17年6月16日……住民投票条例案など自治基本条例関連5条例案を議会に上程。
 平成17年6月22日……自治基本条例関連5条例案が可決。
 平成17年7月1日……自治基本条例と関連5条例を説明した広報用チラシを全戸配布。
 平成17年8月1日……自治基本条例と関連5条例を同時施行。

(3)条例の特徴
 市民参画の手法として関連条例も定めた意見聴取制度(第18条)と審議会等の運営(第19条)、住民投票(第20条)、そして外部監査(第28条)が大きな特徴と言える。
 その中でも特に注目すべきは、意見聴取制度と住民投票だ。
 意見聴取制度とは、「計画の策定、変更または廃止」「条例の制定、改正または廃止」「施策の実施、変更または廃止」について市民生活に重要な影響を与えるものについては、情報を提供して市民から意見を求めなくてはならないというもの(ただし、緊急を要するものや市の権限に属さないもの、金銭徴収に関するものは対象外)。
 住民投票は、定住外国人を含む住民のうち18歳以上の者の4分の1以上の署名があれば、実施されるというもの。投票も定住外国人を含む住民のうち18歳以上の者。「18歳以上」としたのは、18歳が大人と子供を分ける境目になっているケースが多いからだという。

自治基本条例制定の経緯を聞く視察メンバーの写真
自治基本条例制定の経緯を聞く視察メンバー

(4)条例の効果
 庁内のやり方がいろいろと変ってきた。例えば意見聴取制度ができ、30日以上の期間、資料などを公開し、意見を公募したり公聴会を開かないといけないから、政策を早く決めないといけなくなった。

(5)今後について
 第9条の2項に「議会は、自らの機能と責務に関する基本的な条例を定め、市民に対し、議会の役割を明確にするよう努める」とあることから、議会は北海道栗山町のような議会基本条例を制定していかなくてはならない。
 また岸和田市では自治基本条例推進委員会を設置。「自治基本条例は市の最高規範であるからこそ、時代にマッチしたものを」と常に議論をし、よりよいものにしていくという。

【考察】
 制定の経緯は膨大なのでかなり割愛したが、策定委員会は計40回、事務局スタッフ会議は25回も開催された。このほかにも市役所の全部長と事務局で構成する自治基本条例推進委員会を7回、市長の出席する庁議を8回、議員に対する説明会を6回、職員に対する説明会を4回、市民報告会を2回開催。当初は平成16年3月可決を目標としていたが、「拙速は避けよう」という考えから同年12月までズレ込んだ。
しかし、そこまで丁寧に策定を進めてきたからこそ、「市全体でつくったルール」という意識が市役所内にも市民の間にも浸透したと考える。
 だが策定当初から自治基本条例について市民が関心を持ち、積極的に関わっていたわけではない。それは市民委員の公募に32人しか応募がなかったことからも明らかだ。策定委員会の開催を重ねながら、地道に広報活動を続け、市民アンケートやパブリックコメントを行ってきた結果、市民の関心が高まり、「わがまちの憲法」となったのである。
 東村山市では「自治基本条例に対する市民の意識はまだ低いから」と、まだ策定に取り組んでいないが、事務局スタッフを決めて策定の進め方などに取り組むべきではないかと考える。
 もちろん、重要な政策については市民の意見を聞くというルールは見習うべきことだ。これをしっかり実行すれば、平成18年末の東村山駅西口再開発を巡る住民投票を求める市民運動など今後起こらなくなると考える。
内容についても見習うべき点は多いが、現在の東村山市にとって一番見習うべき点は、策定しながら自治基本条例に対する市民の意識を高めていくという岸和田市方式であろう。

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電話:市役所代表:042-393-5111(内線3905~3906)  ファックス:042-397-9436
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