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政策総務委員会視察報告書

更新日:2013年12月24日

1.実施日

平成25年11月11日(月曜)から11月12日(火曜)

2.視察地及び目的

(1)星塚敬愛園(鹿児島県鹿屋市)
  「ハンセン病療養所の将来構想について」
(2)やねだん(同市柳谷集落)
  「補助金に頼らない地域づくりについて」

3.出席者

出席者    委員長 島田久仁、副委員長 熊木敏己 
        駒崎高行、保延務、三浦浩寿、佐藤真和 各委員
随行職員  経営政策部長      諸田壽一郎
        議会事務局議事係長 萩原利幸 


▲自治会前にて自治会副会長の上野正子さんと

《1》国立療養所 星塚敬愛園 (鹿児島県鹿屋市星塚町)

【視察の目的】
 東村山市の国立(ハンセン病)療養所「多磨全生園」は、園内に平成24年7月1日、花さき保育園が開園した。ハンセン病療養所内に認可保育園を新設したのは全国初である。かつて国の誤った断種政策によって子どもを持つことができなかった入所者の方々が、子どもたちの元気な声に囲まれる生活環境を実現できたことは大変喜ばしいことだ。
 さらに当市では、これからの将来構想として、入所者が地域社会から孤立することなく、良好かつ平穏な生活を営むことができるようにするため、医療・看護・介護の確保と生活環境の改善や人権の森構想を掲げている。
 そこで、ハンセン病療養所である国立療養所敬愛園の現状と将来構想を視察する。


▲居住区の中心にある納骨堂にて献花

【視察地の概要】
(1)沿革
全国で唯一、地元代議士の誘致運動によって、1935年10月28日に開設された療養所。開所直後から、奄美群島・沖縄本島の患者も収容した。
1943年には入所者数1,347人を数え、1954年入院定床は1,530となった。
国家賠償請求訴訟の最初の原告の多くは、敬愛園の入所者だった。

(2)入所者数
平成25年4月現在 183名

(3)職員数
常勤医師11人、薬剤師・放射線技師・検査技師・栄養士・療法士等15人、看護師117人、看護助手・介護員127人、事務員等16人

(4)診療科   
内科 外科 皮膚科 眼科 耳鼻咽喉科 歯科

(5)園の特色
 入所者のゲートボールチームが全国大会で優勝するほどの強豪となったことで有名。また、近隣の小学生が夏休みに入所者の居宅を訪れるなど、園内外での行事・活動を通じて施設が地域にとけこむ道を模索している。多くの療養所と異なり、他の機能導入ではなく集約化を志向した将来構想を考えている。


▲岩川洋一郎自治会長より「将来構想」について

【敬愛園の取組みと将来構想について】
星塚敬愛園の入所者も高齢化が進み、現在の平均年齢は83.3歳。その上、合併症(1人平均5.5の重複障害)介護度の増加に伴い、看護・介護の必要が増加している。余生を心豊かに生きることを願い、将来構想は、「医療・看護・介護」「共生」「啓発」を構想の柱としている。
「医療・看護・介護」面では、ハンセン病特有の知覚麻痺、重複障害と認知症の増加に伴う医療体制の充実や、入所者の高齢化と職員の減少している現在、安心した生活を営むために業務改善を推し進めつつ、委託業務の導入も行っている。
「共生」面では、法の下で強制隔離によって引き離された方々が家族との時間を取り戻すことは難しいが、余生だけでも一緒に生活できるよう、家族入院制度の実現を求めている。
 また、看護学校跡地の利用方法として、
・鹿児島県・宮崎県夏休み親子療養所訪問等では、年間250名の親子の来園者があるため、今後は宿泊学習等を行う
・市民講座等を開き、地域と交流を図る
・障害のある中学生・高校生等と入所者の交流を図る
・園内ガイド・入所者の話し相手となるボランティアの育成機関とする
等、その他、空いた土地に菜園を作り、地域や職員との交流を図ったり、8面あるゲートボール場を開放している。

 「啓発」面では、一般応募された方々にボランティア養成講座を行い、現在、啓発活動の講演等で手伝いを行っている。今後は園内の歴史資料の説明案内や入所者の話し相手等の活動を通じ、地域と療養所の架け橋になってもらうことを願っている。

【考察】
 敬愛園の将来構想は、星塚敬愛園自治会の要望によって、自治会・鹿児島県及び鹿屋市が検討委員会の設立準備を開始し、園、退所者、原告団、弁護団、全医労、共に歩む会、周辺町内会、人権擁護委員、市社会福祉協議会及び市議会議員の協力のもと設立された「星塚敬愛園の将来を考える会」によって、より具体的な検討がなされ、まとめられたものである。
 入所者の現在の意向を最も尊重しながら、施設を地域に開放する取り組みや地域との交流促進、ハンセン病問題を風化させず、正しい知識の普及啓発の充実を目指しており、現在と未来を見据えた大きな構想を実効性のあるものとするために大変努力されていた。
 入所者で、自治会副会長である上野正子さんには、園内の案内をして頂きながら、入所当時の様子や現在の状況を伺った。当事者に直接お話を伺うと、現実とは思えないような壮絶な経験に胸が痛み、どんな思いをされてきたであろうかと考えると質問することも憚られるほどであった。
 高齢となった入所者の日々の生活を第一に安心できるように改善しつつ、その後のことも考えなければならない時期にあることは東村山市も同様である。入所者が尊厳をもって過ごせるように、そして将来の園の在り方も見据えて、地域住民との交流活動の促進を望んでいる。
 今後の課題としては、各園の策定した将来構想に対する厚生労働省の対応や国政の状況を踏まえ、関係団体の連携した取り組みを図る組織を継続して運営していくことが重要、としている。
 東村山市の多磨全生園においても、保育園設置が実現できたように、医療・看護・介護の確保と生活環境の改善、人権の森構想の実現のために、引き続き市として支援を行い、計画を推進させなければならないことを再確認した。


▲上野自治会副会長に園内をご案内いただく

《2》やねだん(同市柳谷集落)「補助金に頼らない地域再生について~地域づくりは人づくり。人を動かすのは感動」


▲「やねだん」豊重代表より、地域づくりへの思いを語っていただく

【視察の目的】
 当市は、「みんなで創る、みんなの東村山」を掲げ、自治と協働によるまちづくりを進めており、そのプラットフォームとなるべき「(仮称)自治基本条例」の策定作業も大詰めを迎えているところである。
 当委員会としても同条例について所管事務調査事項に位置づけ、その進捗と並走しているが、行政の側の意識の変革が求められているとともに、住民が主体となった地域づくりが今後どう展開されるかが、当市の将来像を大きく左右すると考える。
 当委員会としては、住民主体の地域づくりの成功事例を視察することにより、当市として何が不足しているのか、どこに力点を置くことによって掲げる目標に近づけるのかを検討する必要があると考え、今回の視察地を選定した。


▲「わくわく運動遊園」にて豊重代表と

【視察地の概要】
 鹿児島県鹿屋市は、大隅半島中部に位置する、総面積448.33k平方メートル、人口104,296人(本年10月1日現在)、一般会計歳入歳出総額442億4,857万4千円(23年度決算値)、産業構造は第1次従事者13.1%、第2次18.4%、第3次68.5%という自治体である。
 その鹿屋市南部に位置する柳谷集落、通称「やねだん」は、人口約300人、高齢化率は4割を超える、電車もバスも通らない小規模農村集落である。
 超少子高齢化による人口減、過疎化による地域力の低下が全国的に進み、多くの自治体、地域がもがき苦しむ中、住民の持つ力を最大限に引き出し、弱みを強みに変え、劇的に再生を遂げた集落として全国から視察が絶えない。
 今回の視察は、11月12日(火曜)午前9時に「やねだん」を訪ね、昼食をはさんで約5時間近くにわたって、集落再生のリーダーとして平成8年から先頭に立ってこられた豊重哲郎さんからお話を伺い、集落内を案内していただいた。

【視察の内容】
 到着した私たちを迎えてくださった豊重さんは、すぐに集落内の「わくわく運動遊園」へ私たちを案内し、集合写真を撮ってくださった。あとで説明いただいたのだが、この「わくわく運動遊園」こそ、平成9年に豊重さんが最初に手掛けた大仕事であり、集落のシンボル的存在の場所であった。また、撮影してくださったカメラマンは、古民家を住民総出で改修した「迎賓館」に都市部より移住してきたアーティストの一人であった。
 「やねだん」の歩みと、そこにかけてきた思いを語る豊重さんのお話は2時間を超えた。


▲ブロンズ彫刻家が暮らす迎賓館

(1)  「やねだん」のあゆみ
 平成9年に自治公民館長に選出された豊重さんは、住民が集う場所が必要と考え、耕作放棄地となっていた2,000平方メートルの土地を整備することから着手。住民総出で作業を続け、約1年間かけて完成させた。要した費用はわずか8万円。
 その後も、特産品としてのカライモ生産、土着菌の製造・活用、焼酎「やねだん」の開発、手打ちそば処の開業等の自主財源確保策を提案し、集落の経済再生を住民の力で実現してきた。
 同時に、通学路での「おはよう声かけ運動」、集落内の全小中学生が通える「寺子屋」の開設、ビオトープの整備、夜間に長距離を歩くサンセットウォーキング大会の実施等、子どもたちが育つ環境の整備や、まさかの時の緊急警報装置設置等を通じて、歳をとっても安心して暮らせる地域づくりを重ねてきた。
 さらには、若者の流出や少子化による人口減への対策として、築100年を超える古民家を住民主体で改修し、「迎賓館」として再利用。住人はアーティストに限定して全国から募集。集落に新たな活気を生み出すため、自立して定住する意思ある人を選考するので、面接は厳しく実施している。この10年間で画家、陶芸家、写真家、ブロンズ彫刻家等が移住。現在8号館まで増えている。

(2) 住民自治に必須は「人財」と「財務」
住民の中に補欠はいない。全員参加でやる、と決めて挑んできた。まずはアイコンタクトとフルネームを覚えることと、笑顔。
近道することなく情熱をもって接すれば、必ず感動が人を動かす。人を動かすのは、真心と情熱しかない。感動の人脈はつながっていく。コミュニティというカタカナが難しいという高齢者には、それは「快話」だと伝えている。
住民の4割以上は高齢者だが、歳をとっても誰かの役に立つことをみんな望んでいる。先輩を心から尊敬して、一人ひとりと真剣に向き合ってきた。
不平不満ばかり言う者、反目する者が必ず現れるが、その少数こそがカギ。「この人が変われば」と覚悟を決めて向き合うこと。忍耐強く、不満を言ってくれることはありがたいと思って聞くこと。そこから新たな発想が生まれてくる。  
不満を言って恨んでいる人を本気にさせられるかどうかにかかっている。諦めてしまったら終わり。半径10mか100mのことを考えてやってきた。その人たち同士が手を携えればすごい力になることを信じて。
また、数字で財務を語れる地域をつくることが大事。数字で語らないと、人は納得しないもの。会費制をやめて、自主財源を生み出そうと動いてきた。教育的な配慮も福祉も、全て財源がなければできない、ということを住民みんなで共有すること。


▲公民館に掲げられた「やねだん創世塾十ヶ条」

(3) 地域を変える「子ども」と「文化」
 文化と子どもを忘れての地域づくりはない。
 できる子どもの背中を押すよりも、本当に支援を必要としている2割ほどの子どもたちのことを考えてきた。それが「寺子屋」の原点。目の前の子どもはどこがわからないのか、がわかる先生が確かな基礎学力つくりを応援している。
 学校を動かしたら、子どもが動いたら、家族が変わり、地域は必ず変わる。なぜなら、学校は365日のうち170日は休み。それをどれだけ地域が活かせるか、がカギ。先生となる人財は地域にいくらでもいる。
 また、「迎賓館」に移住したアーティストたちによって、集落に新たな文化の風が起き、根づき始めている。

(4) 自治体職員の本気度
 住民とともに行政が変わることが、まちにとっての一番の力になる。住民自身の力で、行政が手を貸さなくても、やれることはやれる。同時に、自治体職員が本気になることで、まちが変わる。
 共に学び、思いが広がることを願って、平成19年から「故郷創世塾」を始めた。毎年1回、3泊4日で開催し、全国から自治体職員が参加している。出る杭になるための研修。いわば、人徳養成所。現場の本気度が問われている。テーマをもって、3年くらい土台作りを頑張れば、必ず変わってくる。

【考察・感想】
 訪れた柳谷集落は、広々と畑が広がる風景の中にあった。予定の時間をはるかに超えてお話しくださった豊重哲郎さんは、聞きしに勝る卓抜したリーダーであった。
 しかし、「やねだん」の実践を、「地方の小さな集落だからできたこと」「類まれなリーダーがいたからできたこと」と片づけてしまってはいけないように思う。「これは東村山でもできるのではないでしょうか?」豊重さんの口から何度か発せられた言葉である。
 「地域づくりは人づくり」という大原則に立ち、自治と協働の担い手を発掘し、育てる仕組みをつくっていかなければならない。総合計画や自治基本条例の議論の過程で、「市民活動の中間支援組織」の必要性がたびたび語られてきた。しかし、現状はなかなか立ち上げさえ見えてこない。
 市民に何かを求める前に、自ら市民の中に飛び込んで汗をかき、人と人をつなぐこと、新たな価値を創造することに無類の喜びを感じるような職員の存在が不可欠なのではないかと考える。そのためには、理論に裏打ちされた情熱に接し、大いに学ぶことから始めてはいかがか。
 幸い、「やねだん」には当市の市長も伺った経過があり、自治の所管部長は今回の随行で2度目の訪問だったと聞く。豊重さんも、ひとかたならぬ思いをもって私たちに接してくださった。今がチャンスである。
 「故郷創世塾」の卒業生を中心に、今では「やねだん」の精神を共有する支部が全国に5つできているそうである。地域再生に身を投じてこられた情熱とその実践に触れ、思いを感じ、同じ立場にある者同士で語り合うことで、自治体を担う職員として確信をもって前進できたら素晴らしいことだと思う。
 前日に訪ねた星塚敬愛園とのつながりも考えると、ハンセン病療養所が所在する自治体同士、距離を超えた都市間連携の一環として、「やねだん」との関係も深めていくことを提案したい。
 もう一つのテーマは「経済的な自立」である。無いもの探しではなく、あるものを活かす発想が重要であり、額は小さくとも自主財源を持って活動することの価値は大きい。単にボランティア的な発想ではなく、地域経済として循環させることが、自治と協働の前進には重要な要素なのだとわかった。
 これまでの分野別の縦割り行政から、多世代、多分野を横断的にとらえた地域づくりへとシフトすることが、持続可能な社会、住み続けたいと思える自治体をつくる基盤となっていくのではないかと思う。


▲芋焼酎「やねだん」は韓国にも出荷されている

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