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まちづくり環境委員会行政視察報告書

更新日:2019年12月20日

1.実施日

令和元年11月6日(水曜)から7日(木曜)

2.出席者

委員長:山口みよ

副委員長:小町明夫

委員:藤田まさみ、清水あづさ、石橋光明、山田たか子

3.随行職員

環境安全部長:平岡和富

議会事務局次長補佐:萩原利幸


▲田原本町役場の正面玄関にて

4.視察地及び目的

(1)奈良県田原本町 
 タワラモトンタクシーについて

(2)京都府木津川市
 木津川市精華町環境施設組合 環境の森センター・きづがわについて

(1)奈良県田原本町  タワラモトンタクシーについて

田原本町の概要(令和元年11月1日現在)

人 口:31,876人
世帯数:12,564世帯
面 積:21.09平方キロメートル

 田原本町は奈良盆地の中央に位置する。歴史は古く弥生時代にさかのぼり、弥生時代の大遺跡である「唐古・鍵(からこ・かぎ)遺跡」を始め、多くの文化遺産が存在する。明治22年、町村制施行により田原本町が発足。さらに昭和31年には、多村、川東村、平野村、都村、田原本町の5か町村が合併して新たな田原本町が誕生。昭和40年代には、京阪神のベットタウンとして宅地開発が進み、現在、人口3万人を超える町に成長している。
 産業は稲作とともに地域ブランドの野菜作りを中心とした農業に加え、「道の駅」や「唐古・鍵遺跡史跡公園」を活用して観光振興および関連産業の活性化に取り組んでいる。

視察の目的

 当市では、公共交通網の便が少ない公共交通空白・不便地域で生活する高齢者・障害者・妊婦など、いわゆる交通弱者のための交通手段が課題となっている。
 市議会では、本年9月に「東村山市内に取り残された交通不便地域におけるタクシーによる(デマンド型など)公共交通の検討・実施に関する請願書」を全会一致で採択していることから、委員会としても公共交通空白・不便地域解消の一助となるよう先進的な取り組み事例として、タクシーの「初乗り料金助成制度」を実施している田原本町を視察した。

視察の概要


▲タワラモトンタクシーを担当する西浦総合政策課長

1) 制度導入の背景
 田原本町が交通弱者への対策に取り組んできた背景として、同町に路線バスの運行がない状況がある。高齢化率も高く(29.10%、2015年)通院するにしても病院や駅までの移動手段がタクシーしかないという問題を抱えていた。そこで「タワラモトンタクシー」に先立ち、デマンド型の乗合タクシー「ももたろう号」が平成22年から29年までの8年間運行していた。

2) 「ももたろう号」について
 町内に4社あるタクシー会社のうち1社から、平日9時から11時まで2台、11時から午後6時まで1台を乗合タクシー「ももたろう号」として借り受け、町内200か所の停留所の区間なら一律300円で利用可能で、70歳以上の高齢者、障害者、妊産婦など交通弱者を対象としていた。登録すれば回数に制限なく利用でき、導入後の2年間では登録者・利用者とも急激に伸びたが、1週間から3時間前までに予約する必要があったことから、その後、徐々に伸び悩んでいった。また、平成28年度実績では登録者は累計2,000人を超えたが、1日の利用者は20数名にとどまり、特定の人が何度も利用する(登録者の0.5%が利用実績の25%を占める)など偏りがみられた。平成29年度に実施したアンケート調査では、利用しづらい理由として、「予約しないと乗れない」、「利用したい時に予約が取れない」、「停留所まで自力で移動しないといけない」、「乗る場所も行先も町内に限られている」などの意見があった。また、運行規模についても、タクシー会社との棲み分けがあることから拡大しづらいという欠点があった。


視察は福岡県中間市議会(前列奥)の皆さまとの合同で実施

3) 「タワラモトンタクシー」への移行
 「ももたろう号」の見直しを経て、平成30年7月より町内4社のタクシーの初乗り料金を助成する「タワラモトンタクシー」が運行を開始した。対象者は「ももたろう号」と同様、事前に登録証の交付を受けた交通弱者で、70歳以上の高齢者、妊婦、就学前児童には年間24枚、身体障害者1、2級、療育手帳A1、A2取得者など自主的な移動が困難な住民には年間12枚の利用券を配布している。利用日では、平日に加え土曜日も可能となり、利用時間も8時から午後6時までと朝の1時間を拡大した。また、乗降を停留所に限定せず発着のどちらかが町内であれば可能となり、利用券1枚で通院時に家族などの同乗ができるようになった。
 このように、利便性が大きく向上したことから、運行初年度末では「登録者数」、「実利用者数」、「ひと月の利用回数」とも、29年度末の「もももたろう号」の実績をはるかに上回った。また、以前は町内全4社のタクシー会社のうち1社の車両を借りて運行していたのに比べ、4社すべてを利用できるということからタクシー会社からも好評を得ている。
 しかし、以前の乗合タクシー「ももたろう号」は、移動に制約がある方の交通環境整備に当たることから、費用の8割が特別交付税で手当てされ、町の実質負担は2割であったが、新たな初乗り料金助成制度では特別交付税に該当しなくなったことから、全額が町の負担となっている。一回当たりの町負担の平均額で比較すると、乗合タクシーは約1,500円、新制度は初乗り補助額である680円と低く抑えられているが、従前では1,500円のうち1,200円は交付税で手当てされていたため、実質町が負担したのは300円。新制度では、680円が全額、町の負担となっている。

考察

 当市には民間の路線バス、コミュニティバスなどがあるものの、地域によってはバスを運行するには道路が狭く、運行経路を確保できないなどの理由から、駅やバス停までの距離がある公共交通空白・不便地域が残されている。
 ひと口に「公共交通空白・不便地域」と言っても、個々のニーズは、個々に利用したい時間帯・区間等に違いがあり、多額の予算を投じて「ももたろう号」のような低料金での乗合タクシーを運行しても、ごく一部の人に利用が集中する傾向や民間のタクシー会社との棲み分け等の課題が生じることがわかった。これらを踏まえると、どのタクシーでも利用可能で、料金の初乗り分を助成する「タワラモトンタクシー」助成制度は利用者の利便性を考えた上でも効果的であり、市内のタクシー会社の協力も得やすいなどのメリットがあると考える。
 一方、デメリットとしては、対象者を『移動に制約のある方に限定する』ということは、『公共交通空白・不便地域で生活するすべての住民を対象としていない』ということであり、導入=(イコール)公共交通空白・不便地域の解消にはならない。また、現在の田原本町の初乗り運賃助成制度では特別交付税の措置が受けられず、田原本町と比較して人口が5倍に近い当市で実施した場合、これに係る費用負担が非常に大きな課題となる。さらには、当市のコミュニティバスの運行継続基準である収支率40%との整合性をどのように考えるかという課題もある。
 田原本町は人口こそ違えど、当市の面積(17.14平方キロメートル )と高齢化率(25.4%、2015年10月1日現在)で比較しても大差はなく、視点を変え、外出機会が減少しがちな交通弱者の外出支援策として考えれば、有効であると考える。
 今回の視察で学んだことを参考に、公共交通空白・不便地域で生活する住民の利便性の向上、市内事業者にとってのメリット、コミュニティバスにおける利用者の負担割合との整合性など、多方面からメリット・デメリットについて考え、当市に適し、持続可能である移動手段について検討すべきと考える。

京都府木津川市 木津川市精華町環境施設組合 環境の森センター・きづがわについて

木津川市・精華町の概要(令和元年11月1日現在)

〈木津川市〉                 
人 口:78,097人               
世帯数:30,978世帯           
面 積:85.13平方キロメートル
     
〈精華町〉
人 口:37,355人
世帯数:15,069世帯
面 積:25.68平方キロメートル

 「環境の森センター・きづがわ」が所在する京都府木津川市は、近畿のほぼ中央に位置し、京都・大阪の中心部から約30キロメートル圏内にあり、府内では京都市に次ぐ数の国指定有形文化財を有するなど、ロマンあふれる文化財や豊かな自然・里山など、先人から受け継がれてきた資源がある一方で、近年では国家プロジェクトである「関西文化学術研究都市」の一翼を担う都市としての建設が進められている。

視察の目的


▲山本局長(きづがわ施設長)の説明を受ける委員

 東村山市では、現在、ごみ処理施設の新たな整備に向けた基本方針の策定を進めている。
 「環境の森センター・きづがわ」は、平成20年から10年間かけて検討・計画を進め、平成30年9月にストーカ式の炉と排ガス制御等において最新の技術を用いた焼却施設として稼働に至った。ごみ処理施設の再整備には、地域住民の理解と協力が不可欠であり、また、ストーカ式は当市でも検討している焼却方式であることから、当市における今後の計画に活かすことを目的に視察した。

視察の概要

1) 木津川市精華町環境施設組合について

 隣接する木津川市と精華町では「木津川市精華町環境施設組合」を設置し、可燃ごみを広域処理している。既存の「打越台環境センター(精華町)」の老朽化と人口増加に比例したごみ排出量の増により、新たなごみ処理施設として「環境の森センター・きづがわ」の建設を木津川市が、完成後の施設運営を木津川市精華町環境施設組合が担うこととしている。

2) 環境の森センター・きづがわ計画から稼働まで(取り組みの経過)
 平成20年度 クリーンセンター建設計画作成
 平成21年度 クリーンセンター建設候補地決定
 平成22年度 現況測量、地質調査、生活環境影響調査計画書作成
 平成23年度 生活環境影響調査
 平成24年度 生活環境影響調査、敷地造成設計、埋設廃棄物調査、施設基本設計
 平成25年度 都市計画決定、用地取得、敷地造成工事
 平成26年度 敷地造成工事、施設整備業者選定、施設名称募集
 平成27年度 敷地造成工事、施設実施設計
 平成28年度 施設設備工事
 平成29年度 施設整備工事
 平成30年度 施設完成、供用開始

〈木津川市清掃センター建設審議会〉
 平成21年4月に審議会設置条例が可決し、公募市民8人と市が委嘱した8人の計16人の審議会委員が選任され、木津川市長から「建設用地の選定」についての諮問を受けた。8回の審議会では、5ヵ所の建設候補地や先進施設の視察、クリーンセンターの施設及び立地のコンセプト等について審議し、平成22年2月に最終候補地を選定し、答申している。

3) 施設概要
 面積:約50,900平方メートル
 建築面積:約3,900平方メートル
 処理能力:94t/24h(47t/日×2炉)
 焼却炉形式:全連続燃焼ストーカ方式
 発電設備:復水式タービン発電機1,22キロワット(2,000世帯分の電力量)
 総工費:約108億円(国からの補助 約30億円)

〈特徴)
 (1) ごみの均質化
  ピット&クレーン方式で多種多様なごみを十分に撹拌・均質化しながら乾燥させ、安定したごみ燃焼を実施している。
 (2) 焼却の最適化
  ごみ供給量や燃焼空気量を自動制御するシステムを導入し、こみの燃焼を最適化させる。
 (3) 公害防止(排ガス)
  最先端の排ガス処理機器で処理。法令規制値よりもさらに厳しい管理目標を設定し、有害物質の除去を行ったのち、無害になったガスを大気に放出する。
 (4) エネルギーの有効利用
  焼却時に発生する排ガスから熱を回収。高効率ごみ発電を行い、施設内の電力として活用し、余剰電力は売却している。(H30売却実績:2,000万円/10ヶ月)
 (5) 排水の有効利用
  施設内で発生するプラント系排水は全て施設内での処理後、排ガスの冷却等に使用し、施設外に放流しない。

〈重点を置いた対策〉
 臭気:ごみ搬入口であるプラットフォームにはエアカーテンと自動ドアを設置し、負圧する事により、臭気を周囲に漏らさないように設計。ごみピット内の臭気を吸い上げ、焼却炉へ燃焼用空気として送り込む。その臭気は、焼却時400度の高温により分解している。

 排ガス処理:焼却炉では、850度以上の高温でダイオキシン類は分解され、その排ガスの熱を利用した蒸気タービンで発電。その後、排ガスは空冷壁で167度まで一気に冷やされ、ばいじんや有害ガス成分を除去し、無害化してから大気へ放出する。

 ごみ処理:焼却施設の再整備後、廃プラやビニール長靴等を可燃処理に変更し、容リプラのみリサイクルへ。家庭ごみの発熱量が数百~3,000kcalなのに対し、プラスチックは6,000~10,000kcalと高く、これにより炉内の温度も発電効率も上がる。また、廃プラ容器処理委託料(約2,500万円)が削減され、可燃ごみの量は増えたがコストは増えていない。

 環境調査:建設場所はオオタカの住む地域でもあり、自然環境面についての調査を環境アセスメントに準じて事前調査を行っている。

考察


▲一度に2tのごみを掴む、実物大のごみクレーンと一緒に

 「環境の森センター・きづがわ」は、従来の“焼却施設=嫌悪施設”のイメージから、“環境にやさしく快適で安全”“市民に役に立つ施設“として受け入れてもらうため、嫌悪の原因となっていた「臭気」、「排ガス(けむり)処理」「環境への影響」等について十分な対策を検討し、地元住民の代表者で構成する環境監視委員会との定期的な話し合いと広報紙による周知を10年間重ねた。結果として、住民と行政が当初の険悪な雰囲気から話し合いのできる関係へと変化し、様々な対策を講じて稼働に至っている。
 近い将来、建て替えを迎える当市でも、建設候補地の住民からは不安の声が聞かれる。これらの声に対し、新たなごみ処理施設ではどのような対策を取るのか、今の技術でどこまで対応できるのか等、より丁寧な説明や協議を繰り返す事で、行政への信頼と、「迷惑施設」のイメージが払拭されるものと考える。ごみ処理施設は、住民の暮らしに必要不可欠であるが、同時に建設候補地周辺を生活拠点としている地域住民にとっては不安の対象であり、新たなごみ処理施設の建設は、「安全・安心であること」が最大のポイントとなる。そのためには、「どの地域に建てても安全な焼却炉」である必要があり、今後策定していく基本方針及び基本計画について、近隣住民をはじめとする市民に対し懇切丁寧に周知・説明し、理解を得ていく必要があると考える。

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