失語症者意思疎通支援事業実施お願いの陳情
更新日:2014年6月24日
失語症者を取り巻く現状と課題について
日頃からご支援を賜り、深く感謝申し上げます。
失語症という障害の特性から、外部に対して意見を述べる機会が極端に少なく、制度の谷間に置かれてきた失語症者に対し、今回、意見を述べる場を設けていただきましたことに、心より御礼申し上げます。失語症者の実情を御理解下さり、ご尽力いただければ幸いです。
1.失語症とは
1) 失語症
脳血管障害や脳こうそく、脳炎、頭部外傷など、病気や事故等により、脳が損傷することで引き起こされる言語機能の障害。脳機能と、身体のまひなどの重複障害が生じることがある。「電話で対応できない」「書類を読んでも意味がわからない」「考えていることを話せない」など、社会面、生活面で深刻な支障をきたし、退職や退学、離婚をする人も多い。失語症者は全国で推計30~50万人と言われている。
2) 多様な障害
言葉を話す、発音する、聞いて理解する、文字を書く、文書を読んで理解する、計算する、などが困難になる。簡単な内容なら意思を伝えられる人から、ほとんど意思が伝えられない人まで障害は多様。
3) 他の障害との違い
聴覚障害者は、手話や文字でコミュニケーションを取ることができるが、失語症者は文字を読んでも理解できないことがある。思考力や判断力は保たれており、この点で認知症は精神障害とも異なる。また、実際に言葉を交わさなければ失語症とは分からない場合があり、周囲からは分かりにくい障害である。
4) 欠かせない周囲の援助
周囲の人とのコミュニケーションに障害をきたすため、会話を援助してくれる家族や支援者など、失語症者を理解して援助する人が不可欠となっている。同時に、家族や支援者らへのサポートも重要。
失語症者は、他者とのコミュニケーション・就労など人間としての基本的な機能を喪失し、人間として活動するための根源的能力を損なうため、本人家族ともそれまで送ってきた生活を継続することが出来ず、孤独と絶望感の中に生きることとなる。
(文献:『よくわかる失語症セラピーと認知リハビリテーション』鹿島、種村、佐野著)
2.北多摩失語症友の会「若竹」代表高倉幸次郎の現状
失語症という後遺症に苦しんでいるのは、本人だけではなく、家族も同様に苦労を背負う。家族の絶望感は大きく、働き盛りの者が倒れた時点で、家族の経済・生活の問題が重圧となる。生活のために家族は働かざるを得ず、当事者の介護と家庭の存続が残された家族に圧し掛かる。倒れた本人が介護保険施設に通所となるが、多くの施設にはST(言語聴覚士)の常駐は無い。通所した先で心無い扱い(認知症と間違われたり、世話のかからない利用者として、放置されたり)を受け、それが嫌で家に閉じこもる失語症者が多いと聞き及ぶ。
施設内に失語症について学んだ人の対応があれば「ゆっくり失語症者の話を聞く」ことができ、「失語症者が居心地のいい場所になる」のであるが。
失語症の回復は気が遠くなるほど時間がかかるが、少しずつ回復をしていく。倒れて12年の「若竹」代表の幸次郎はいろいろな方法(地図を書く、メモ用紙に書く、ジェスチャー、怒りの感情など)で意思を伝えることができる。しかしながら家族でも、高倉代表の言葉の理解は難しい。そのような状態であるが、家族としては本人に人間らしく、暮らせるような環境を整えている。折々には、シルバーカーに乗り、空堀川遊歩道を本町にある喫茶店まで行き、昼食を食べてコーヒーを楽しみ帰宅する。要介護3が認定されている点数分を最大限利用し、介護保険施設でのリハビリを受けている。しかしながらこれらも、家族や失語症に理解あるものの見守りがないとできないことなので家族の努力が必須となっている。
1)北多摩失語症友の会「若竹」の要望
意思疎通支援事業に基づいた失語症者への合理的配慮を実践してください。
(ア)会話パートナー養成講座を東村山市の事業として開催し、講座終了後は市役所の各窓口に失語症を知っている方を増やしてください。(他自治体の取り組みを添えます)
(イ)社会福祉協議会や障害支援課などに会話パートナーの教育を受けた人をおいてください。
(ウ)「若竹」と市の話し合いの場を設けてください。
(オ)東村山市の方と失語症友の会「若竹」が話し合いを持つときには失語症を知っている人の要約筆記者や、会話支援者(会話パートナー)をつけてください。
平成26年6月17日
陳情人
東村山市青葉町2-25-29
特定非営利活動法人 全国失語症友の会連合会
北多摩失語症友の会「若竹」
代表 高倉 幸次郎 (たかの文字は正しくははしごだか)
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