議員定数適正化調査特別委員会・調査報告書(平成20年12月19日)
更新日:2012年12月13日
1.特別委員会の設置
平成19年9月定例会最終日である平成19年10月17日(水曜)に、「議員定数適正化調査特別委員会」が設置される。
委員(定数12人):佐藤真和、朝木直子、野田数、熊木敏己、奥谷浩一、
福田かづこ、肥沼茂男、加藤正俊、島田久仁、
駒崎高行、川上隆之、清沢謙治
調査事項:議員定数の適正化について
2.会議経過
平成19年
第1回 平成19年10月17日(水曜)
会議の概要:正副委員長の互選
委員長 川上隆之委員
副委員長 肥沼茂男委員
第2回 平成19年11月9日(金曜)
会議の概要:
●本委員会のあり方、今後の議論の進め方について意見交換をする。
●議会事務局から事前に用意された資料「近隣市の議員定数一覧表」が配付され、説明を受ける。
●議会事務局に対して資料請求をする。
(1)多摩26市議会及び全国の自治体(市)の議員定数とその動向等について
(2)海外主要国の議会運営方法について
第3回 平成19年12月14日(金曜)
会議の概要:
●前回、請求した資料の配付と説明を受ける。
(1)議員定数等一覧表 その1(多摩26市)
(2)議員定数等一覧表 その2(全国類似団体)
(3)全国市議会旬報(平成19年10月5日号抜粋)
(4)全国の議員定数改正の動向
(5)東村山市議会議員に係る経費一覧
●意見交換を行う。(以下、主な意見)
・議員定数や財政規模の近い自治体と比較していくのがよいのではないか。
・議員報酬や視察など議会に係る経費についての議論をすべきである。
・本委員会は「議員定数の適正化」を調査項目としているので、このことに絞って議論すべきではないか。
・何のための「適正化」なのか、委員会の目的をしっかりすべきである。
・有識者の意見を聞くのもひとつの方法だと考えられる。
平成20年
第1回 平成20年3月11日(火曜)
会議の概要:
●資料請求し、未提出であった資料が配付される。
(1) 海外主要国の議会運営方法について(地方議会「議員大辞典」より抜粋)
●議員定数に関する市民からの意見等の有無についての質疑に対し、タウンミーティング(市民と市長の対話集会)において、定数削減を求める意見が度々出されていることが議会事務局の答弁で明らかになる。
●意見交換を行う。(以下、主な意見)
・なぜ定数を削減するのか。その前に、まず財政問題を考えなければならない。そのためには、議員報酬や視察、政務調査費なども含めた議論が必要である。
・何を基準として「適正化」を判断するかは難しいが、議会はチェック機能が必要であり、大幅に定数を削減するというわけにはいかない。
・本委員会の構成員として所属していない会派がある。議会改革に取り組むのであれば、全ての会派で構成される場で議論すべきである。
・本委員会を継続していくのであれば、どういう方向で議論を続けるのか、何をテーマに議論していくのかを明確にすべきである。
第2回 平成20年6月20日(水曜)
6月定例会初日に、20請願第5号「東村山市議会の議員定数の削減を求める請願」(平成20年5月27日提出)が本委員会に付託され、調査事項である「議員定数の適正化について」と同一議題として審査を進める。
会議の概要:
●事務局による請願文朗読を行い、調査事項とあわせて審査する。以下、主な意見を記載。
・行財政改革ということで議会自らが身を削るのであれば、議会経費そのものについて議論すべきであり、そうでなければ、本委員会を終了するべきである。
・「1名とか2名を削減する」という議論だけでは必然性を感じない。本委員会は閉じられたい。
第3回 平成20年9月10日(水曜)
会議の概要:
●20請願第5号について請願人の追加があり、事務局より報告される(3,378名が追加され、合計は代表請願人ほか3,468名になった)。
●以下、主な意見。
・前回話が出ていた本委員会の今後の進め方としては、請願が提出されているので、まずそれを審査していきたい。
・行財政改革が求められる中で、議会自らも身を切って範を示す覚悟であることを市民に示すためにも、定数削減は必要ではないか。請願を審査した上で、早期に一定の結論を出すべきである。
・行財政改革まで広げて議論するのであれば、今、議会運営委員会で議会改革について議論しているし、行財政改革調査特別委員会というものも設置されている。本件請願を付託替えし、本委員会は閉じるべきである。
・請願文に書かれている事業の民間委託や職員定数削減、財政の健全化など、ここまで議論を広げると本委員会で審査するには少々厳しいものがある。議会費の削減ということに限定しても、本委員会で議論すべきことなのか疑問である。
第4回 平成20年10月31日(金曜)
会議の概要:
●主な意見。
・行財政改革が叫ばれる中で、議会費を何も見直さないというわけにはいかない。まずは報酬であり、視察、政務調査費等を見直すべきであり、これらを減らして、その分で定数は確保した方が良い。
・定数を増やすとか減らすという議論の前に、議会のあり方、議会がどうあるべきかを議論しなければ、議員数が適正か否かという話は出てこないと考える。
・本委員会の設置目的である定数削減についてのみ議論するということ自体に無理がある。本件請願については、現段階での各会派の主張を述べた上で結論を出し、本委員会は閉じるべきである。
・19年3月に、1名削減する内容の議員提出議案を提出し否決になった経過がある。報酬や議会費まで話を広げればまとまらなくなるおそれもあり、「定数削減」という角度で切り込んでいくという手法で1年間やってきたつもりである。職員や市民への影響を考えるに、早期に結論を出すことが重要と考える。
●各委員からの意見を受けて、次回(12月定例会の会期中)に、本件請願と調査事項について一定の結論を出すことで了承された。
第5回 平成20年12月12日(金曜)
会議の概要:
●20請願第5号及び本委員会の調査事項「議員定数の適正化」について、一括して討論(意見表明)し、請願の採決を行った。
以下、各会派の討論(要旨)を記載する。
〈採択(削減に賛成)の意見〉
・自民党自治クラブ(肥沼委員)
当市における大変厳しい財政状況の中、職員定数の適正化、給与改革、構造改革を議論している。このような現下の状況の中、東村山市議会としても、議員定数を削減し、行財政改革の推進に寄与するものと考え、本請願を採択とする。
・公明党(島田委員)
まず、この請願人3,468名の民意を重く受けとめなければいけない。市長のタウンミーティングにおいても議員定数削減の意見が出されていることを考えると、市民は議会に何らかのアクションを期待していると考えられる。第3次行財政改革後期実施計画では、市民にも痛みを分かち持ってもらい、職員給与は構造改革により大幅に削減される中で、議会だけが無傷ではいられず、むしろ先頭を切って、定数削減で議会自らその身を削る姿勢を示すべきと考える。この難局を乗り切るには、市民、職員、議会ともに、痛みを伴った強力な行財政改革が必要であり、民意の反映とチェック機能は、定数が多ければ多いほどよいというわけではなく、定数を削減しても多様な民意の反映は可能であると考える。
また、議員にも行政全般に関し専門的な知識が求められ、幅広い層から人材を確保することも大切である。行政監視と評価を適正に行い、市民の意向を的確にとらえ政策提言するためには、自己研鑽を積むことが求められている。報酬引き下げや役職加算の廃止をすべきとの声もあるが、議員の資質の向上を目指す上では、一定の待遇を認めることも必要であり、定数削減により、議員並びに議会の質を高め、ひいては議会改革を進展させるものと考える。
・民主生活者ネットワーク(奥谷委員)
平成20年11月に出された「第3次東村山市行財政改革大綱後期実施計画」は、職員並びに市民に対して大変厳しい内容となっている。当市の行財政改革は待ったなしである。請願にもあるように、市議会も自らその襟を正し、範を示すべきであると考える。ただし、議員の身分にかかわる問題であるため会派内でも異論はあったが、現在の議員定数を削減して行財政改革の先頭に立ってほしいという請願の、3,468名の声を重く受けとめ、賛成とする。
・草の根市民クラブ(朝木委員)
行財政改革の一環として、役職加算や視察、政務調査費なども含めた議会費のあり方、議会制民主主義のあり方、また職員給与の適正化など当市の事情に対して、行財政改革・市政運営のあり方を総合的に議論し、納税者市民の目線に立って改革を進めるべきである。本委員会ではこれらの議論がされることなく、委員会運営については非常に残念であるが、大恐慌の中で市民に重い負担を強いている以上、議員自らも身を切るべきという考え方で、本請願の趣旨には賛同するものであり、採択すべしとの立場である。
〈不採択(削減に反対)の意見〉
・共産党(福田委員)
議会は最も民主主義が重視されなければならない団体であり、多様な意見が反映され、住民意思をより適切に反映した決定がされるべき制度だと思う。これ以上の定数削減で、これが阻害されることになる。
議会は、住民の代表として、住民サービスの後退や住民負担の大幅な増加を抑え、お金の使い方をチェックし、それを改めるよう求めるべきであるが、定数を削るということは、多様な意見で行政をチェックする機能をますます弱めることになりかねない。
また、本委員会において、議会本来の役割・あり方のそもそも論を議論することなく、定数削減だけが先にありきの議論はするべきではないと繰り返し主張し、議会費全体の削減をどのように行うかをまず一番に考え実行に移すことこそ、身を切るということだとも主張してきた。にもかかわらず、議員定数を幾つにするかを議論すべきとの意見が出され、委員会は事実上の空転を続けてきた。
本請願は、委員会の早期終了を求める議論が説得力を発揮し始めたところで、委員会継続のために提出されたものであり、そのことからも本請願を不採択とすることを求める。
・共産党(清沢委員)
当市の財政状況が厳しさを増す中、請願でも指摘されているように、行政だけでなく議会も率先して財政の健全化に取り組むべきというのは、そのとおりである。しかしながら、議会経費の削減を論じる上では、定数だけでなく、報酬や政務調査費、視察のあり方などを幅広く総体的に議論する必要があり、安易に議員定数の削減に走るのでは、行政に対する議会のチェック機能を弱体化させ、むしろ市民の期待を裏切ることにもなりかねない。
多摩地域で人口が15万人以上20万人未満の自治体は、当市のほかに5市あり、これらの自治体の議員定数と比較した場合、現時点で当市の議員定数は最低で、議員報酬も低い。
議員定数を削減することが、行政に対するチェック機能を発揮していく上で妥当であるのか十分な議論が必要であるはずで、こうした議論もないまま、本請願を拙速に採決することに強く抗議する。
・希望の空(佐藤委員)
議員定数の削減という要望を優先する意見があることは理解するし、議会改革の一つの方法として、そのような結論が導き出されることも否定しない。しかし、議会改革の全体像を議論することなく、小手先だけいじって、議会も血を流しましたとすることは簡単かもしれないが、それは望まれている姿ではない。
請願者の願意は議員定数削減による市財政に及ぼす効果であるが、これはあと2年半、全くその効果が表われない。この議論がなぜされないのか。これで議会改革をしたと済ませる空気があることを、残念だと思っている。
また、議員定数についての議論に全くかかわっていない会派(議員)がいることも大きな問題で、今行うべきことは、議員の数を減らすのではなく、議会費全体、議員一人一人に要しているコストについて議論し、即座に実行に移すべきだと考える。
●討論終了後、採決の結果、賛成者多数により、本件請願を採択するものと
し、あわせて、本委員会を終了することとした。
平成20年12月19日
議員定数適正化調査特別委員会
委員長 川上 隆之
副委員長 肥沼 茂男
委 員 佐藤 真和
委 員 朝木 直子
委 員 野田 数
委 員 熊木 敏己
委 員 奥谷 浩一
委 員 福田かづこ
委 員 加藤 正俊
委 員 島田 久仁
委 員 駒崎 高行
委 員 清沢 謙治
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