償却資産とは
更新日:2016年12月1日
1 償却資産の意義
1 なぜ償却資産が固定資産税の対象となるのか
償却資産を固定資産税の課税客体としているのは、構築物、機械等を所有する事業者が、資産の所在する市町村から有形無形の行政サービスを受けており、その受益と事業活動の関係に着目し、土地及び家屋と同様な応益課税の原則を一層貫こうとする考えで課税することとされています。
2 償却資産の要件
固定資産税の対象となる償却資産は次の要件に該当するものです。
- 土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産であること。
- その減価償却額又は減価償却費が法人税又は法所得税法の規定による所得の計算上損金必要な経費に算入されるもののうち、その取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含みます。)であること。
- 鉱業権、漁業権、特許権、その他の無形減価償却資産でないこと。
- 自動車税の課税客体となる自動車及び軽自動車税の課税客体となる軽自動車等でないこと。
3 税務会計における減価償却資産との比較
税務会計においては、減価償却資産についてその償却費として損金に算入する額は、企業の確定決算において償却費として損金経理した金額の範囲内とされています(法人税法第31条)。
そこで、税務会計における減価償却資産と固定資産税における償却資産の意義を比較すると、両者の相違点は、次のとおりです。
- 事業の用に供する建物については、税務会計における減価償却資産とされますが、固定資産税においては、たとえ事業用のものであっても、別個に家屋として取り扱われますので、償却資産には該当しません。なお、事業用の建物の附属設備については、附属設備の種類、実態等により、家屋の一部として家屋に含めて評価するか、償却資産として別個に取り扱うかを区分することとなります。
- 無形減価償却資産は、固定資産税における償却資産には含まれません。
- 牛、馬、果樹その他の生物は(観賞用、興行用その他これらに準ずる用に供する生物を除きます。)、固定資産税の課税客体たる償却資産から除外する取扱いとされています(取扱通知第3章第1節第1五)。
- 固定資産税における償却資産からは、自動車税及び軽自動車税の課税客体となる自動車及び軽自動車が除かれています。
2 償却資産の種類と具体例
種類別に例示しますと、次のとおりです。
資産の種類 | 主な償却資産の例示 |
---|---|
構築物 |
●屋上看板等の広告設備、独立煙突、門、塀、緑化施設、庭園、テニスコート、ゴルフ練習場のネット設備・芝生等、立体駐車場、機械式駐車場、屋外駐車場の舗装路面・柵、その他土地に定着する土木設備等 |
機械及び装置 | 工作機械・印刷機械等の各種産業用機械、クレーン等建設機械、駐車場機械装置等 |
船舶 | 漁船、油そう船、モーターボート等 |
航空機 | 飛行機、ヘリコプター等 |
車両及び運搬具 | フォークリフト等の大型特殊自動車、荷車、台車、手押車等(自動車税、軽自動車税の対象になる乗用車、トラック等は除く。) |
工具・器具及び備品 | テレビ、パソコン、プリンター、ルームエアコン、事務机、事務椅子、衝立、応接セット、金庫、陳列ケース、レジスター、電気器具、ガス器具、測定・検査工具、切削工具、金型、理容・美容機器、医療機器、カラオケ機器、ゲーム機器、自動販売機、屋外駐車場の砂利等 |
3 家屋と償却資産の区分
家屋(建物)には、電気設備、給排水設備、衛生設備、運搬設備等の建築設備(家屋と一体になって家屋の効用を高める設備)が取り付けられていますが、固定資産税においては、それらを家屋と償却資産に区分して評価しています。
設備等の種類 | 設備等の分類 | 償却資産とするもの | 家屋に含めるもの |
---|---|---|---|
内装・造作 | 床・壁・天井仕上・店舗造作等 | 工事一式 | |
電気設備 | 受・変電設備 | 設備一式 | |
電気設備 | 予備電源設備 | 発電機設備、蓄電池設備、無停電電源設備 | |
電気設備 | 中央監視設備 | 設備一式 | |
電気設備 | 電灯照明設備 | 屋外照明設備 | 屋内照明設備 |
電気設備 | 電力引込設備 | 引込工事 | |
電気設備 | 電力配線設備 | 特定の生産又は業務用設備 | 左記以外の設備 |
電気設備 | 電話設備 | 電話機、交換機等の機器 | 左記以外の設備 |
電気設備 | 拡声設備 | マイクロホン、スピーカー、アンプ等の機器 | 左記以外の設備 |
電気設備 | インターホン設備 | 設備一式 | |
電気設備 | ITV設備 | 受像機(テレビ)、カメラ | 左記以外の設備 |
電気設備 | 電気時計設備 | 時計、配電盤等の装置・器具類 | 左記以外の設備 |
電気設備 | 火災報知設備 | 設備一式 | |
給排水設備 | 屋外設備、引込工事 | 左記以外の設備 | |
給湯設備 | 湯沸器の局所式給湯設備(ユニットバス等用を除く) | 中央式給湯設備 ユニットバス等用給湯器 |
|
ガス設備 | 屋外設備、引込工事、特定の生産又は業務用設備 | 左記以外の設備 | |
衛生設備 | 設備一式 | ||
換気設備 | 設備一式 | ||
避雷設備 | 設備一式 | ||
空調設備 | ルームエアコン(壁掛型)、特定の生産又は業務用設備 | 左記以外の設備 | |
消火設備 | 消火器、避難器具、ホース及びノズル、ガスボンベ等 | 消火栓設備、スプリンクラー設備等 | |
運搬設備 | 工場用ベルトコンベア | エレベーター、エスカレーター、ダムウェーター等 | |
厨房設備 | 顧客の求めに応じるサービス設備(飲食店・ホテル・百貨店)、寮・病院・社員食堂等の厨房設備 | 左記以外の設備 | |
洗濯設備 | 洗濯機・脱水機・乾燥機等の機具、顧客の求めに応じるサービス設備(ホテル等)、寮・病院等の洗濯設備 | 左記以外の設備 | |
その他の設備等 | 冷凍倉庫における冷凍設備、ろ過装置、LAN設備、POSシステム、広告塔、ネオンサイン、文字看板、袖看板、衝立、機械式駐車設備(ターンテーブルを含む)、株価表示板、メールボックス、カーテン・ブラインド等 | ||
外構工事 | 工事一式(門、塀、緑化施設等) |
家屋と設備等の所有者が異なる場合
賃借人(テナント)等が取り付けた内装・造作及び建築設備等については、償却資産として取り扱います。
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ファックス:042-397-0175(課税課・収納課)
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