平成24年4月2日 市長庁内放送
更新日:2016年4月1日
「新年度をむかえて」(平成24年4月2日 市長庁内放送より)
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音声による市長メッセージです。是非、市長の声をお聞きください。
はじめに
市長室から市民の皆様、そして職員の皆さんへ
ご来庁の市民の皆様、そして職員の皆さん、おはようございます。東村山市長の渡部尚(わたなべたかし)です。
昨日は本町や栄町で桜まつりが開催されましたが、今年の冬は例年になく厳しい寒さが続き、それぞれの桜通りの並木はようやく蕾がふくらみ始めた程度で、参加された市民の皆さんは一日も早い開花を待ち望まれていました。それでも昨年東日本大震災の直後の混乱の中で市内の桜まつりが全て中止になったことを考えますと、今年は桜の開花は遅れているものの、こうして地域の市民の皆さんが多数参加され無事に桜まつりが開催できることに、有り難さすら感じるのは私だけではないと思います。
東日本大震災から1年が過ぎて
速いもので東日本大震災から1年が過ぎました。一瞬にして多くの方の命を奪い、沿岸部の街という街を呑み込み破壊尽くした大津波。そして今なお続く原発事故の放射能汚染。改めて震災で犠牲となられた全ての御霊に対し哀悼の誠を捧げるとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
国難とも言うべき状態にありながら国政は混迷を極め、政府の被災地復興は遅々として進んでおりませんでしたが、ここに来て「復興庁」の設置や復興交付金の創設、瓦礫の広域処理など、ようやく政府の方針や体制も目に見える形となってきております。国は被災地の声をしっかりと受け止め、大胆な構想力と緻密な計算に基づいた明確な方針を指し示し、国民ならびに全国の自治体に協力要請すべきところははっきりと要請し、オール・ジャパンで復旧・復興に向けた取り組みが迅速に行われるよう更なる努力をお願いするところです。私も市長会等を通じて国にそのことを訴えて参りたいと考えます。また、当市としても出来うる限りの被災地復興の支援を本年度も引き続き行って参ります。
3.11あの日を忘れない「災害に強い安全・安心のまちづくり」
防災フェア3・11あの日を忘れない
当市では、今年の3月11日に「防災フェア3・11あの日を忘れない」を開催し、午前中には東京消防庁ハイパーレスキュー隊による事故車両からの救出訓練などの防災機関訓練を、午後には東京消防庁東日本大震災第1次派遣隊長の藤原正直氏による講演会を実施しました。首都直下型の大地震の発生が切迫感を持って懸念される中で、「市民の命を最優先」を第4次総合計画の「まちづくりの基本姿勢」に掲げる当市としましては、災害に強い安全・安心のまちづくりを市政の最重要政策の一つに位置づけております。
久米川小学校屋内運動場(体育館)完成式典
24年度は昨年度改訂を行いました「東村山市地域防災計画」に基づき、小中学校の耐震化の今年度中の100%達成、市役所等その他の公共施設の耐震化の推進、防災行政無線のデジタル化、幹線道路網の整備、また、災害弱者と言われる方々の支援の仕組みづくりに引き続き取り組んでいくとともに、本年度から新たに助成制度を設け個人住宅やマンション等の耐震化促進を図ってまいります
安全・安心のまちづくりを進めるには、私たち行政の責任は重大ですが、行政だけで出来るものでないことも事実です。市民の皆様にもご自宅の家具転倒予防やご自宅の耐震診断・耐震化の実施など、ご自身の命はまずご自身で守る観点から出来ることはご自身で対策を講じていただくよう、また震災訓練など地域の自主防災活動への参加など、自分たちの地域は自分たちで守る機運と体制を高めて頂きますよう、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
「大量退職時代を、力を合わせて乗り切ろう」
さて、去る3月31日には46名の方が定年退職を迎え、5名の方が普通退職、2名の方が任期満了により派遣元の東京都等へお戻りになりました。長年東村山市の発展と市民福祉の向上にご尽力いただきました退職者の皆さんに心より感謝申し上げます。管理職やベテラン職員が一度に50名以上退職されることは、市役所組織としては大変な痛手ですが、市民サービスや業務の質が低下することの無いよう、残された職員の皆さんで力を合わせ、この大量退職の大きな穴を埋めて行かなければなりません。この後(あと)、4月1日付で採用された38名の新入職員に辞令交付を行います。
採用された職員の皆さん、誠におめでとうございます。1週間の研修の後、各職場に配属されますが、一日も早く公務員としての知識や心構えをしっかりと身につけ、上司や先輩職員と力を合わせ市民の皆様のために頑張って下さい。また、本日、217名の職員に対し人事異動を発令いたしました。その内訳は、昇任90名、異動121名、派遣4名、転任2名でございます。異動につきましては、今日の当市のおかれている様々な状況を勘案し、山積する課題を効率的効果的に解決するために最適化された組織・人員体制を構築するとともに、大量退職期の次なる時期の市政を担う人材の育成を図ることを主眼に、適材適所を考え配置を行ったものであります。
異動された職員の皆さんには、希望に沿わなかった方もいるかも知れませんが、新たな気持ちで新しい仕事に果敢に挑戦し、先ほども申し上げましたようにベテラン職員の大量退職で市民サービスや業務の質が低下することの無いよう、むしろ市役所がバージョンアップできるよう持てる力を最大限発揮していただくようお願いたします。
自治力向上元年 「参加、熟議型市政を目指してキックオフ」
本年年頭の庁内放送や3月定例会の施政方針説明でも申し上げましたが、本年は政治的にも行政的にもまさに「自治力」を高めていかなければならない年、当市として正念場となる「自治力向上元年」です。昨年、地域主権改革関三法案が国会で可決されたことに伴い、昨日の4月1日から多くの行政事務が東京都から移管されるとともに、これまで法律により義務付け、枠付けされていた将来構想の必置など幾つかの事務は廃止され、各自治体の判断で対応することとなりました。権限委譲・法による義務付けの廃止により、私たちにますます自己決定・自己責任に基づく市政経営が求められています。その意味で私たちは自主性・自立性ある市政運営、すなわち「自治力」を高めていかなければなりません。
自治基本条例市民会議にて議論を交わす市民
イギリスの政治学者ブライスは「地方自治は民主主義の学校」という有名な言葉を残していますが、また「民主主義の源泉は地方自治にある」とも言っています。また、アメリカの政治学者フィシュキンは「現代は民主主義の実験の時代」であるとし、民主主義の四大原則のうち両立が最も難しい「熟議」と「市民の政治参加」の両立を図る努力の中に、多様な声を大切にしながら一つの民意へと集約し、課題解決に向け適正に機能する質の高い民主主義を生み出す可能性があるという趣旨のことを述べています。
私は日本を覆う閉塞状況を打ち破るには、ブライスが言うように、まず自分たちのまちは自分たちでつくり、治める、という自治の原点、民主主義の原点に立ち返ることが必要不可欠だと考えます。そしてフィシュキンが言うように「熟議」と「市民の政治参加」の両立を図る努力を通して、「自治力」を高め、市民が公共の担い手の一人として議論の輪に参加し、市民・議会・行政がそれぞれお互いの役割を果たしながら、共に公共的課題の解決を図る「参加・熟議型民主主義」の新たな地平を切り開いていくことが、地方自治に携わる者の使命、特に3・11後を生きる政治的リーダーの使命だと考えています。
自治基本条例庁内検討会議にて議論を交わす職員
「自治力」を高めていくには、職員の皆さん一人ひとりが力量を高めることと、市民の皆様の持てる力を引き出し公共的課題解決に向けてまとめていくこととが同時に求められます。現在、市民の皆様の持てる力を引き出し公共的課題解決に向けてまとめていくための基本的な仕組みづくり、ルールづくりとして「自治基本条例」の策定を進めています。
本年度この動きがいよいよ本格化してまいります。市民の皆様にも職員の皆さんにも気軽に「参加」できる「熟議」の場を様々な形で設けていきたいと考えておりますが、市民の皆様、職員の皆さん、ぜひ本年度は「震災後の自治のありかた・まちのかたち」について 思いをめぐらせていただき、条例策定の議論の輪にご参加いただくよう心よりお願い申し上げます。
「孤立死」のない東村山を目指して
ところで、最近「孤立死」あるいは「孤独死」の報道を耳にする事が多くなりました。人間関係の希薄化で、近所の付き合いがなく、困ったことや悩み事の相談ができず、助けを求められない社会状況が影響しているのではないかと考えております。東日本大震災で、人と人との繋がり、「絆」の大切さが認識されましたが、その一方でこのような「孤立死」が相次いでいる事を大変残念に思います。社会との繋がりを絶っているかのようなケースもあり、課題の解決には困難さを伴いますが、地域の方々による見守りや新聞配達・宅配サービス、検針など事業者の方々と連携し、異変を見逃さないネットワークを築いていくことが重要なのではないかと思います。
当市の第4次総合計画の将来都市像は「人と人 人とみどりが響きあい 笑顔あふれる東村山」ですが、これは「孤立死」を生むような「無縁社会」を人と人の繋がりを大切にした心の通い合ったまちにつくり変えていくことを目指す宣言でもあるのです。今後、こうした将来都市像の理念に基づき、当市では市民誰もが「孤立」しないよう行政各分野の連携を図るとともに市民の皆様との協働による地域づくりを進めていきたいと思います。
ポジティブ・シンキングで「笑顔あふれる東村山」
最後になりましたが、職員の皆さんに年頭の挨拶でも申し上げましたが、再度ポジティブ・シンキングについて申し上げます。出来ない理由を考えることは簡単ですが、様々な制約がある中でどうすれば解決できるのか、どうすれば出来るのか徹底的に考え抜くポジティブ・シンキングが公務を推進するうえで益々重要になってきています。
本年度は「どうせ出来ないだろう」ではなく、「どうすれば出来るのか」という前向きの発想で仕事に取り組んでいただきたいと思います。結びに、職員の皆さんにはこれからも多忙な日々が続くと思いますが、体調管理に留意され今年度も「笑顔あふれる東村山」を目指し共に頑張りましょう。ご静聴、有難うございました。
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