平成25年4月1日 市長庁内放送
更新日:2016年4月1日
「新年度をむかえて」(平成25年4月1日 市長庁内放送より)
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音声による市長メッセージです。是非、市長の声をお聞きください。
新年度を迎えて
ご来庁の市民の皆様、そして職員の皆さん、おはようございます。東村山市長の渡部 尚(わたなべ たかし)です。今年は桜の開花が早く、すでに満開となり一昨日の雨で散り始めてしまいましたが、本日より4月に入りいよいよ春本番、春宵一刻値千金の好季となりました。平成25年度を迎えるに当たり、市長としての所信の一端を申し述べ、ご挨拶とさせていただきたいと存じます。
4市による「西武鉄道国分寺線・多摩湖線沿線連絡協議会」を設置
尾崎東大和市長、私、星野国分寺市長、小林小平市長
皆様すでにご存知の通り、去る3月26日西武ホールディングスの後藤社長は記者会見の中で筆頭株主である米投資会社サーベラスの株式公開買付け(TOB)問題に関連して、昨年10月にサーベラスより西武鉄道の国分寺線・多摩湖線・山口線・多摩川線・秩父線の5路線の廃止や西武ライオンズ球団の売却などの提案がなされたことを明らかにしました。
西武ホールディングスは、サーベラスのこれらの提案を拒否したとのことですが、もし万が一これらの路線が廃止されれば沿線の住民と自治体にとりまして、その影響は計り知れません。日々の通勤通学はもとより買い物や通院、観光など、市民は身近な「足」を奪われ、市民生活に重大な支障をきたすとともに、沿線自治体は都市としての機能や価値を大きく損なわれることは必至であります。
当市は今回サーベラスによる廃線提案を受けた国分寺線・多摩湖線の駅を市内に5つも有し、取り分け国分寺線は100年以上の昔に当時の先覚者が私財を投げ打って当市に駅を誘致した経緯もあり、当市はこれら2路線を含め西武鉄道と共に発展してきたまちと言っても過言ではありません。現在も国分寺線・多摩湖線は多くの市民が通勤・通学や買い物などで、また市外の方々が当市を観光などで訪れる際のアクセスとして、欠かすことのできない路線となっており、まさに当市の生命線であります。サーベラスは、5路線の廃止について、「経営改革のアイデアの一つとして示したが、まったく拘りはない。」、と述べたと報道されています。しかし、地域のまさに生命線ともいえるほど公共性の高い鉄道事業に対し、地域住民の存在をまったく無視し、このような提案が為されること自体、到底容認することは出来ません。まして東村山駅周辺の連続立体交差事業が本年度よりいよいよ事業開始されるという矢先に、このような提案がなされたことは、第4次総合計画に掲げる「生活充実都市」の実現に向けて懸命の努力をしている私たちに冷や水を浴びせるような行為であり、断じて許すことはできません。ところで路線の廃止は東村山市だけの問題でなく同じ沿線自治体共通との問題であり、連携して事に当たるべきであることは言うまでもありません。
そこで沿線各市に呼びかけさせていただいたところ、小平市・国分寺市・東大和市との間で、2路線の廃止を阻止し、更なる沿線全体の充実・発展を目指すために、4市が連携することで意見が一致し、去る3月29日、小林小平市長、星野国分寺市長、尾崎東大和市長に当市市役所に急遽お出でいただき、沿線4市で「西武鉄道国分寺線・多摩湖線沿線連絡協議会」を設置し、私がその代表に就任させていただきました。会議後4市長による共同記者会見を開催し、「国分寺線・多摩湖線の存続を強く求める」緊急の意見表明を行ったところです。この、「緊急意見表明」は後日、サーベラス、西武ホールディングス、国、東京都など関係各機関に提出させていただきます。
また、同じく廃止提案を受けた多摩川線、山口線、秩父線の各自治体とも連絡を取り、情報交換を行なう中で、連携・協働の体制づくりを検討してまいります。いずれにしても今後も引き続き、沿線連絡協議会を中心に4市の連携を強化し、鉄道路線の存続、沿線全体の活性化と地域振興、鉄道の利便性の向上を促進してまいりたいと思っておりますので、市民の皆様、職員の皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。
平成25年度 定期人事異動と新入職員の辞令交付
3月31日には、27名の方が定年退職を、6名の方が普通退職をされ、1名の方の東京都からの派遣期間が、4名の方のフルタイム再任用期間が終了となりました。長年、当市の発展や市民福祉の向上にご尽力いただきました皆さんに、心より感謝申し上げます。多くの管理職やベテランの職員が退職されるのは、当市にとって大きなマイナスではございますが、残った職員、力を合わせて難局を乗り越えていきたいと思います。
さて、今日から25年度のスタートとなります。本日、201名の職員に対し人事異動を発令いたしました。その内訳は、昇任48名、異動103名、派遣等11名、新規採用39名でございます。定期人事異動の目的は、組織の活性化と人材の育成にあります。自治体職員に求められる能力は、かつては幅広い知識、総合的な調整能力、正確かつ効率的な事務処理能力などでしたが、地方分権による自治体の役割増加、行政需要の高度・複雑化に伴う業務専門化、行財政改革に伴う定数の削減等により、それらに加えて豊かで柔軟な発想による政策立案能力、高度な専門的知識やスキル、困難な中でも任務をやり遂げるタフネスマインドや高いモチベーションが必要とされています。そして、何よりも市民に信頼される、すなわち市民に信用を置いていただけ、頼りにされる職員になることが必要不可欠であると思っています。本年度はそうした職員に求められる資質や能力、知識、スキルなどの変化に合わせ「人材育成ビジョン」の改定作業を進め、人事制度改革や研修の充実と合わせ「自治の時代」を担う職員力の向上を図ってまいります。
本日付で、採用された新入職員の皆さん、誠におめでとうございます。厳しい採用試験を経て採用された皆さんです。大きな希望や期待、また不安もあろうかと思いますが、職場の先輩から教えていただきながら、一日も早く仕事を覚えていただき、健康管理に留意し、今申し上げたように市民から信頼される職員になっていただきたいと思います。また、昇任・異動された職員のみなさんも、新たな職場におけるご自身の使命と果たすべき役割を深く自覚し、一日も早く職責を全うできるよう頑張っていただきたいと思います。そして引き続き同じ職場で仕事をされる職員の皆さんにつきましても、気持ちを新たにし、研鑽に努め、更に高い目標に向かって頑張っていただきますようお願い致します。
「スポーツ祭東京2013」開催に向けてラストスパート
「スポーツ祭東京2013」開催200日前のカウントダウンボードを前に
さて、いよいよ今年度は「スポーツ祭東京2013」が開催されます。当市では、9月21日にデモンストレーション競技としてティーボール、10月4日から7日まで、バスケットボール少年女子が開催されます。なお一層の周知を図るため3月12日に、開催200日前のカウントダウンボードを市役所正面玄関に設置いたしました。これは、秋水園内にある「とんぼ工房」を拠点として活躍されている「とんぼサポーター2」の皆さんに作成していただいたものです。来庁された皆様には、お帰りの際、是非、カウントダウンボードをご覧いただければと存じます。その他、東村山駅改札口に横断幕の掲示、市役所地下売店での「ゆりーと」グッズの販売、ポスターコンテストや小・中学校の手作りカウントダウンボードの作成などを行いました。また、スポーツ祭東京2013は当市を全国にアピールできる絶好の機会でもありますので、商工会や農業団体等と協力して、当市の名物や特産物を活かしたお土産品の開発、市内観光につながる市内の見所等を掲載した観戦ガイドマップの作成なども進めてまいります。今後も、「みんなでつくる、みんなのスポーツ祭」の理念のもと、小・中学校、各種市民団体、ボランティア、体育協会など協力団体など、多くの皆さまとの連携を深め、「スポーツ都市宣言東村山」に相応しい大会となるよう機運を盛り上げて参りたいと存じます。
人口の減少時代のまちづくり、住環境マネジメントとシティ・プロモーション
さて、国立社会保障・人口問題研究所は先月27日に平成52年(2040年)までの「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」を発表しました。今回の推計は、平成22(2010)年の国勢調査を基に、平成22(2010)年10月1日から平成52(2040)年10月1日までの30年間について5年ごとの男女年齢5歳階級別の将来人口を推計したものです。
それによると2040年の総人口はすべての都道府県で2010年を下回り、全国平均で16.2%減少。市区町村別推計でも約7割の自治体で2010年に比べ20%以上減少するとされています。また、65歳以上人口、75歳以上人口が東京都などの大都市圏と沖縄県で大幅に増加、市区町村別でも2040年には65歳以上人口が40%以上を占める自治体が半数近くになる見込みです。当市の総人口は2010年が15万3千557人に対し、2040年が15万4千682人と30年間で1千125人、率にして0.7%の増となるとされています。従って当市は全国では数少ない人口増加の自治体の一つと見込まれているのです。一方、65歳以上人口の比率は2010年の22.4%から2040年には32.8%、75歳以上人口の比率は10.5%が17.8%と高齢化が一段と進行する見込みです。都内でも青梅市、福生市、足立区などで20%以上人口が減少するとされるなど、かなりの市区町村で人口が減少する中、当市は逆に微増ながら人口が増加すると推計されたことは当市の持つポテンシャルがある意味で評価されたものとして喜ばしく思うところです。しかし手放しで喜べる状況には全くないこともまた事実であります。
総人口について申し上げれば、当市は平成23年7月1日の15万3千558人をピークにこの1年8ヶ月の間は少しずつ減少してきており、本年3月1日現在では15万2千668人と890人、率にして0.58%の減であります。これはこれまで人口増を牽引していた社会増が鈍化した一方、自然減が増加していることによるものと思われます。今後もこうした減少傾向が続くのか、あるいは国の推計のように増加となるのか、現段階では不透明でありますが、私としては非常に強い危機感を抱いているところであります。
また、高齢化につきましても特に75歳以上人口が加速度的に増加することは必至であり、高齢者の皆様の心身の健康寿命の延長を図ることは急務であります。20世紀は「大都市の時代」であるとともに大都市で働く大量の人々の居住地が大都市の外周である郊外にどんどん拡大して行った「郊外の時代」でもありました。しかし21世紀に入り社会の成熟化、高齢化の進展とともに、かつてのニュータウンはそこに住む人々も都市基盤や施設も高齢化し、オールドタウン化しつつあります。更に人口減少時代に入り、ある調査によれば2010年に13%だった我国の空き家率は2030年には実に43%になるという予測もあり、地域によっては空き家の増加で住環境が悪化し、商店等の撤退も増えて生活が不便となり、更に空き家が増えるという負のスパイラルを起こして、オールドタウンがいつしか誰も住まない、土地も売れないゴーストタウンとなってしまうのではないかと危惧されています。
子育て中の皆さんと「子育てしやすいまちづくり」について意見交換(ころころの森にて)
東村山市を30年後、40年後にゴーストタウンにしない、むしろそこに住む人々を光り輝かせ、まち自体も輝く「ゴールドタウン」とするためには、ここ10年間のまちづくりがまさに勝負であると私は考えています。始動した連続立体交差事業や都市インフラを含めた公共施設の再生、「子育てするなら東村山」諸施策、介護予防や高齢者見守り体制の整備、「自分たちのまちは自分たちでつくる」仕組みと機運を生み出す自治基本条例の策定など、現在進めている第4次総合計画と第4次行財政改革を着実に推進していくとともに、人口減少や空き家の増加といった新たな問題を解決する骨太の政策を打ち出し、果敢に推進することが求められていると思います。その一つが空き地や空き家を地域全体で有効に活用するための住環境マネジメントの仕組みづくりであります。空き家問題を単なる近隣トラブル対策として捉えるのではなく、空き地や空き家の活用を含め地域の住環境全体の居住性や資産価値をいかに維持し向上させて行くかといった視点が必要です。ご案内のようにアメリカにはHOA(ホーム・オーナーズ・アソシエーション)という同じ住宅地の持ち家所有者の組織が形成されており、専門業者に個々の住宅はもとより公園や道路など共有資産の維持管理を委託し、住宅地の質を維持・向上させています。HOAが存在する所では空き家も共有資産同様にHOAに管理されることになります。こうしたシステムをそのまま日本に持ち込むことは出来ませんが、市民や事業者、専門家と連携・協力し日本版と言いますか東村山版のHOAのような住環境マネジメントシステムの構築を目指し、本年度から検討していきたいと思います。もう一つが更に積極的なシティ・プロモーション、シティ・セールス、すなわち東村山市自体の営業、売り込みです。住まいとして、またビジネスを行う場として東村山市にはどのようなメリットがあるか、連続立体事業など現在進行形の施策を含めて、本年度より私が先頭に立ってより積極的に行ってまいりたいと思います。
ぜひ市民の皆様、職員の皆さんのご理解とご協力をお願い致します。
あらゆる困難にも英知を結集して乗り切って参りましょう
最後に、職員の皆さんに申し上げます。皆さんは気持ちも新たに新年度を迎えられた事と存じます。昨年末に誕生した、安倍内閣の経済政策は「アベノミクス」とよばれ、財政出動、金融緩和、成長戦略の3本の矢でデフレの脱却を目指しています。年末より、円安・株高傾向が続き、日本の経済には若干の明るさが見えてきたとは言え、当市の財政状況はまだまだ厳しく、今後の事業の推進には困難が伴う事もあるかと思いますが、職員一人一人の英知を結集して乗り切っていきたいと思います。職員の皆さんには、今年度も多忙な日々が続くと思いますが、体調管理に留意され市民満足度の向上に努めてまいりましょう。 ご静聴ありがとうございました。
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