人権問題への取り組み
更新日:2023年6月6日
「人権」とは「すべての人々が生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利」あるいは「人間が人間らしく生きる権利で、生まれながらに持つ権利」です。
しかし、現実の社会では、子どもへの虐待や、パートナーからの暴力、高齢だから、障害があるから、同和地区出身者だから、外国人だからということでの差別など、様々な場面で人権を侵害されることもあります。
特に当市には、東京で唯一の国立ハンセン病療養所「多磨全生園」があります。
ハンセン病は、かつて不治の病と恐れられ、入所者の方々は過酷な差別と、国の強制隔離政策による筆舌に尽くし難い苦痛を受けてきました。
これらは全て人権問題です。
これらの人権問題をなくすには、国・東京都・市で様々な人権擁護のための取り組みを行っていますが、市民ひとり一人が、どのような人権問題があり、どうのように解決していけばいいのか、正しく理解し、行動に移すことが大切です。
さまざまな人権問題
毎年12月の人権週間でも人権週間強調事項として掲げている17の人権課題について紹介します。
人権についての理解を一層深めるきっかけにしていただければ幸いです。
参考・引用:法務省HP「主な人権課題」、東京都人権擁護部HP「いろいろな人権」
人権についての全般的な相談
<全国共通>電話:0570‐003-110
おかけになった場所の最寄りの法務局・地方法務局につながります。
常設相談所
東京都法務局人権擁護部、東京法務局府中支局・八王子支局・西多摩支局
(1)女性の人権を守ろう
家庭や職場における男女差別、性犯罪等の女性に対する暴力、配偶者・パートナーからの暴力、職場におけるセクシュアル・ハラスメントや妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い(マタニティ・ハラスメント)などの人権問題が発生しています。
誰もがお互いの立場を尊重して協力し合えるよう、この問題についての関心と理解を深めていくことが必要です。
女性の人権ホットライン
パートナーからの暴力、職場でのセクハラなどの相談に人権擁護委員や法務局職員が応じます。
(全国共通)電話:0570-070-810
受付時間 平日の午前8時30分から午後5時15分
費用 無料
(2)こどもの人権を守ろう
いじめや体罰、それらに起因する自殺、児童虐待、児童買春や児童ポルノなどの性的搾取といった人権問題があります。
こどもが一人の人間として、また権利の主体として最大限に尊重されるよう、この問題についての関心と理解を深めていくことが必要です。
こどもの人権110番
虐待や学校でのいじめなどの相談、人権擁護委員や法務局職員が応じます。
電話:0120-007-110
受付時間 平日の午前8時30分から午後5時15分
費用 無料
(3)高齢者の人権を守ろう
高齢者に対する就職差別、介護施設における身体的・心理的虐待、高齢者の家族等による無断の財産処分(経済的虐待)などの人権問題があります。
高齢者が生き生きと暮らせる社会にするため、認知症への理解も含めて、この問題についての関心と理解を深めていくことが必要です。
(4)障害を理由とする偏見や差別をなくそう
障害のある人が職場において差別待遇を受けたり、車椅子での乗車、アパート・マンションへの入居及び店舗でのサービス等を拒否されたりするなどの人権問題があります。
障害の有無にかかわらず、誰もがお互いの人権を尊重しあう「心のバリアフリー」を推進することによって、多様な主体が互いに連携し、支え合う共生社会を実現するため、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の趣旨を踏まえ、この問題についての関心と理解を深め、偏見や差別をなくしていくことが大切です。
(5)部落差別(同和問題)を解消しよう
部落差別(同和問題)については、インターネット上の差別的書き込み、結婚、交際、就職・職場における差別、差別発言、差別落書き等の人権問題が依然として存在しています。
「部落差別の解消の推進に関する法律(PDF:342KB)」の趣旨及び同法第6条に基づく調査の結果を踏まえながら、啓発によって新たな差別を生むことがないように留意しつつ、それが真に問題の解消に資するものとなるよう、内容や手法等に配慮し、この問題についての関心と理解を深めていくことが必要です。
また、同和問題(部落差別)の解消を阻む大きな要因となっているものに、いわゆる「えせ同和行為」があり、この「えせ同和行為」を排除するための取組を行っていくことが必要です。
【法務省】 同和問題(部落差別)に関する正しい理解を深めましょう
(6)アイヌの人々に対する偏見や差別をなくそう
先住民族であるアイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会を実現するため、その歴史、文化、伝統及び現状に関する認識と理解を深め、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」の趣旨を踏まえ、偏見や差別を解消していくことが必要です。
(7)外国人の人権を尊重しよう
外国人であることを理由とする不当な就職上の取扱い、アパートやマンションへの入居拒否などの人権問題があります。
また、特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動がヘイトスピーチであるとして社会的な関心を集める中、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」の趣旨を踏まえ、ヘイトスピーチを解消していくことが必要です。
多様な主体が互いに連携し、支え合う共生社会を実現するため、文化等の多様性を認め、言語、宗教、生活習慣等の違いを正しく理解し、これらを尊重することが重要であるとの認識を深めていくことが必要です。
(8)感染症に関連する偏見や差別をなくそう
新型コロナウイルス感染症、エイズ、肝炎等の感染症に対する知識や理解の不足から、日常生活、職場、医療現場など社会生活の様々な場面で差別やプライバシー侵害などの人権問題が発生しています。感染症に対する正しい知識を持ち、正しい情報に基づく冷静な判断が重要であるとの理解を深め、偏見や差別を解消していくことが必要です。
【東京都】HIV感染者・ハンセン病患者・新型コロナウイルス感染症等の人権問題
(9)ハンセン病患者・元患者やその家族に対する偏見や差別をなくそう
「ハンセン病家族国家賠償請求訴訟の判決受入れに当たっての内閣総理大臣談話」にもあるとおり、ハンセン病対策については、かつて採られた施設入所政策の下で、患者・元患者やその家族が置かれていた境遇を踏まえ、ハンセン病についての正しい知識を持ち、この問題についての関心と理解を深め、偏見や差別を解消していくことが必要です。
特に当市には、東京で唯一の国立ハンセン病療養所「多磨全生園」があります。
ハンセン病は、かつて不治の病と恐れられ、入所者の方々は過酷な差別と、国の強制隔離政策による筆舌に尽くし難い苦痛を受けてきました。
入所者の方々は、園内のハンセン病の歴史・人権の歴史とともにある豊かな緑、歴史的価値を持つ建造物や史跡を「人権の森」として保全・保存し、後世に伝えようと、「人権の森」構想を立ち上げ、東村山市とともにこの構想の実現に向けた活動をしています。
【法務省】ハンセン病患者等に対する偏見や差別をなくしましょう
(10)刑を終えて出所した人に対する偏見や差別をなくそう
刑を終えて出所した人やその家族に対する根強い偏見によって、就職差別や住居の確保が困難であることなどの人権問題があります。
刑を終えて出所した人が更生するためには、本人の強い更生意欲と共に、周囲の人々の理解と協力により円滑な社会復帰を実現することが重要であり、この問題についての関心と理解を深め、偏見や差別を解消していくことが必要です。
(11)犯罪被害者やその家族の人権に配慮しよう
犯罪被害者やその家族が、興味本位のうわさや心ない中傷などによって名誉を傷つけられたり、私生活の平穏が脅かされたりするなどの人権問題が発生しています。
犯罪被害者やその家族の立場を考え、この問題についての関心と理解を深めていくことが必要です。
(12)インターネット上の人 権侵害をなくそう
インターネット上で、他人を誹謗中傷したり、個人の名誉やプライバシーを侵害したり、あるいは偏見や差別を助長するような情報を発信するといった悪質な事案が急増しています。このような情報の発信は、同様の書き込みを次々と誘発し、取り返しのつかない重大な人権侵害にもつながるものであって、決してあってはなりません。
特に近時は、ネットいじめや、いわゆるリベンジポルノと呼ばれる画像の流出・拡散が問題となっています。
スマートフォンや携帯電話の普及ともあいまって、インターネットの匿名性、情報発信の容易さを悪用した人権問題が、特に青少年を中心に発生しています。
個人の名誉やプライバシー、インターネットを利用する際のルールやマナーに関する正しい理解を深めていくことが必要です。
(13)北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めよう
「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」により、我が国の喫緊の国民的課題である拉致問題の解決を始めとする北朝鮮当局による人権侵害問題への対処が、国際社会を挙げて取り組むべき課題とされています。
この問題についての関心と認識を深めていくことが必要です。
【法務省】北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めましょう
(14)ホームレスに対する偏見や差別をなくそう
ホームレスの自立を図るための様々な取組が行われている一方、ホームレスに対する嫌がらせや暴行事件等の人権問題も発生しています。
この問題についての関心と理解を深め、偏見や差別を解消していくことが必要です。
(15)性的マイノリティに関する偏見や差別をなくそう
性的マイノリティを理由として、社会の中で偏見の目にさらされたり、職場で昇進を妨げられたり、学校生活でいじめられたりするなどの人権問題が発生しています。
この問題についての関心と理解を深め、偏見や差別を解消していくことが必要です。
【法務省】性的マイノリティに関する偏見や差別をなくしましょう
(16)人身取引をなくそう
人身取引(性的サービスや労働の強要等)は、重大な犯罪であるとともに、基本的人権を侵害する深刻な問題です。この問題についての関心と理解を深めていくことが重要です。
(17)震災等の災害に起因する偏見や差別をなくそう
震災等の大きな災害の発生時における、不確かな情報に基づいて他人を不当に取り扱ったり、偏見や差別を助長するような情報を発信するなどの行動は、重大な人権侵害になり得るだけではなく、避難や復興の妨げにもなりかねません。
正しい情報と冷静な判断に基づき、一人一人が思いやりの心を持った行動をとれるよう呼びかけていくことが必要です。
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