更新日:2023年3月27日
今このコラムのタイトルを見た皆さんの中には、「入院や手術はまだ自分には縁がなさそうだ」と考える方も少なくないかもしれません。けれど家族、友人、知人のことを思うとどうでしょうか。少し身近に感じるのではないでしょうか。
手術で全身麻酔をする場合、口の中に麻酔の管を通すことが多いのですが、この時にぐらついた歯があると、抜けたり折れたりする危険があります。また、口の中にいるむし歯や歯周病などを引き起こすたくさんの細菌が体の中に入ることで、色々な悪い影響を及ぼすことが知られています。例えば口の中や食道、胃の手術を受ける場合、それらの細菌が原因で手術した部位が感染してしまうことがあります。更に、手術後は体力が落ちているので、食べ物や唾液が誤って気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)が起こる事があります。その際に、口の中の細菌が、誤嚥した食べ物や唾液と一緒に肺に入ることで肺炎になってしまうこともあります。つまり、手術の前にぐらついた歯やむし歯がないかチェックしたり、歯石を取るなどクリーニングをして口の中の細菌をできるだけ減らしたり、正しい口腔ケアの方法を教わって細菌を増やさないようにすることはとても重要だと言えるのです。
手術が決まって慌てて歯科医院へ駆け込むことがないように、普段からクリーニングなどで歯科診療所を訪れて、お口の中を診てもらうことも大切ですね。
東村山市歯科医師会
〒189-8501 東村山市本町1丁目2番地3