正福寺地蔵堂
更新日:2023年6月19日
住所:東村山市諏訪町1丁目6番地3 電話:042-396-3800
正福寺について
北条時宗が鷹狩りの折病気になり、夢枕に黄衣をまとった地蔵菩薩が現れ丸薬をくれた。これを飲み、眠りから覚めたら病が治ったので、地蔵尊を信仰して、弘安元年(1278年)正福寺を開創したと寺伝にあります。しかし、昭和9年改修の際発見された墨書銘により、室町時代の応永14年(1407年)の建立とわかりました。鎌倉の円覚寺舎利殿とともに禅宗様建築の代表的遺構で、国宝建造物として名高いものです。
なお、国の指定名称は正福寺地蔵堂ですが、堂内に奉納された小地蔵にちなみ、地元では正福寺千体地蔵堂とも呼ばれています。
場所
東村山市野口町4丁目6番地1 正福寺境内
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正福寺地蔵堂の屋根の葺き替え
写真:葺き替え完了直後の正福寺地蔵堂
正福寺地蔵堂は火災などで幾度となく危機的な状況にさらされながらも、応永14年(1407年)の地蔵堂建立当時の姿を今日に伝えています。30年に1度実施される正福寺地蔵堂(野口町4丁目6番地1)の屋根の葺き替え工事も、 平成17年(2005年)に行われました。平成19年には地蔵堂建立600周年を記念して特別展「正福寺展―国宝・地蔵堂建立600周年記念―」が開催されました。
写真:葺き替え工事の様子/野地板状況(西面)
問い合わせ/ふるさと歴史館/電話:042-396-3800
正福寺地蔵堂と修理の概要
正福寺 地蔵堂 1棟
桁行三間,梁間三間 ,一重裳階(もこし)付,入母屋造(いりもやづくり),こけら葺, 裳階銅板葺
附(つけたり) 棟札 1枚 安政六年(1859)屋根組替修履造営の記がある
【写真:葺き替え工事の様子/裳階銅板葺】
(注記)こけら…木材を細長く削りとった板のこと。
裳階…建物の軒下壁面に造られる庇(ひさし)のようにさし出してつくった部分。
平面積
身舎(もや) 34.563平方メートル
裳階身舎共 72.505平方メートル
軒面積
身舎 91.020 平方メートル
裳階 117.807 平方メートル
屋根面積
身舎こけら葺 161.40平方メートル
裳階銅板葺 139.20 平方メートル
【写真:葺き替え工事の様子/東面野垂木(のだるき)】
正福寺地蔵堂ほか指定・修理歴
- 江戸時代後期 由緒ある名建築として知られていた(『新編武蔵風土記稿』、『遊歴雑記』)
- 1927年10月 稲村坦元氏(東京府)と田邊泰博士(早稲田大学)が正福寺地蔵堂の存在と価値を発見・認識。
- この時の地蔵堂は、現在のこけら葺とは異なる茅葺であった。いつから茅葺であったかは定かではないが、安政6年(1859年)の棟札に「屋根組替修覆造営」との記述があること及び、天保13年(1842年)生まれの古老の、同年、扮(そぎ)板葺から草屋根(茅葺)へ葺き替えられたとの言(『国宝正福寺地蔵堂修理工事報告書』東村山市史編纂委員会 1968年)から、安政6年からだったのではないかと考えられる。
- 1928年1月15日 文部省の委員である関野貞博士(東京帝国大学)が正福寺地蔵堂を視察
- 1928年4月4日 正福寺地蔵堂、特別保護建造物指定(古社寺保存法)
- 1929年7月1日 正福寺地蔵堂、国宝指定(国宝保存法)
- 1933年2月1日から1934年3月31日 正福寺地蔵堂修理
- この解体修理に伴う調査で、建築的観点からも茅葺にするための変更痕跡やこけら板残片が見つかったため、同時代の建物を参照して上層屋根はこけら葺に復元した。また、下層はこの修理で保護のため板葺の上を銅板張にした。
- 1952年3月29日 正福寺地蔵堂、国宝指定(文化財保護法)
- 1954年12月21日から1955年2月28日 正福寺地蔵堂、貯水槽・格納庫・ポンプ及び消火栓設備工事
- 1961年 正福寺地蔵堂、こけら葺屋根の応急修理
- 1969年3月31日 貞和の板碑、東村山市指定文化財に指定
- 1969年 正福寺地蔵堂保護柵設置
- 1971年 正福寺地蔵堂、消火栓設備工事
- 1972年3月31日 千体小地蔵尊像、東村山市指定文化財に指定
- 1972年 正福寺山門修理
- 1972年10月 正福寺千體地蔵堂保存会設立
- 1973年3月31日 千体地蔵堂本尊地蔵菩薩立像、東村山市指定文化財に指定
- 1973年3月11日 正福寺山門落慶式
- 1973年9月1日から12月31日 正福寺地蔵堂、屋根修理
- 1985年4月から1988年4月 正福寺本堂建替
- 1987年9月25日から30日 正福寺地蔵堂、木格子(花頭窓部)修理
- 1988年 正福寺地蔵堂、消火栓設備工事
- 1994年2月15日から3月30日、9月1日から11月30日 正福寺地蔵堂防災施設工事(消火栓設備・避雷設備)
- 2005年3月1日から9月30日 正福寺地蔵堂、屋根修理、建具・土間部分修理
- 2005年4月20日 山門、東村山市指定文化財に指定
こけら葺
【写真:修理前こけら葺】
「こけら葺」は板葺の一種で「こけら=薄い木片」を重ねて敷き詰める方法、およびその屋根のことをさす。杉、椹(サワラ)、檜葉(ヒバ)、栗などの木材を、木目に沿ってはがしていき、薄い板にしたものを少しずつずらしながら重ねて並べ、竹釘で留める。正福寺地蔵堂屋根葺替は、椹(サワラ)を幅12センチメートル、長さ45センチメートル、厚さ4.5ミリメートル程度の薄い板にしたものを、少しずつずらしながら重ねて並べ、竹釘で留める。この屋根を葺く方法は平安時代にはすでに確立されていたようで、 時代は違うが金閣寺や桂離宮も「こけら葺」である。なお、こけらよりも厚い板で葺いた屋根を、「木賊葺(とくさぶき)」、木賊葺より厚いものを「栩葺(とちぶき)」と呼ぶ。
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