下宅部遺跡展 縄文の漆 2
更新日:2019年2月16日
展示案内
漆でひびを補修した注口土器
下宅部(しもやけべ)遺跡は、縄文時代後晩期(今から約2700から4000年前)を主体とした低湿地遺跡です。ここでは、豊富な木材等の資料が出土していることから、当時の人々がさまざまな植物を利用して生活していたようすがわかります。
特に漆工関連資料は、樹液の採取から調整・加工・塗布に係る要具、工芸的にも優れた製品、壊れた土器を補修した資料など、一連の漆工技術を復元することが可能な資料であり、「下宅部遺跡漆工関連出土品」として東京都の文化財に指定されています。
遺跡調査報告書の刊行後もさまざまな研究が続けられ、その成果がまとめられています。今回は、そうした研究成果に基づき、縄文時代の漆工技術についての企画展を開催します。
会期
4月28日 (土曜)から7月1日(日曜)
開館時間
午前9時30分から午後5時
企画展示開催中の休館日
毎週月曜日・火曜日(ただし、4月30日は開館し、5月2日は休館)
入館料
無料
交通
西武鉄道東村山駅西口より徒歩8分
または、東村山駅西口よりグリーンバス「諏訪町循環」にて「ふるさと歴史館」停留所下車すぐ
(注記)駐車場が少ないので、お車での来館はご遠慮ください。
展示構成
縄文時代の漆塗り弓出土状況
〇導入 「下宅部遺跡とは」 展示ロビー
下宅部遺跡とは、東村山市多摩湖町から発見された、縄文時代中期から中世にかけての複合低湿地遺跡です。中でも、縄文時代後期に行われていた、漆工・狩猟と狩猟儀礼・堅果類の処理・木材加工などの様々な生業活動の様子が具体的にわかります。
〇本編 「縄文時代の漆工技術」 特別展示室
(1)ウルシ樹液の採取
樹液採取の傷を持つ杭を展示し、その分析と実際に石器で樹液を採取する実験から、縄文時代のウルシ林の維持管理技術として「間伐」が存在していたことを中心に紹介します。また、他の遺跡から出土した各時代の樹液採取の傷をパネル展示します。
(2)漆液容器
漆液容器には、保管用・調整加工用・塗布用・補修用などがあります。それぞれの資料と拡大写真でその特徴を紹介します。
(3)赤色顔料と赤色漆塗り土器
赤色顔料には水銀朱とベンガラがあります。当時の水銀朱の産地は北海道か西日本に限られ関東周辺には存在しないにも関わらず、下宅部遺跡では水銀朱が7割とベンガラを凌駕していることを中心に、赤色漆塗り土器について紹介します。
(4)漆塗り木製品
漆塗りの弓は儀礼用の飾り弓と言われることが多いのですが、実は高性能な実用品であることを中心に、多様な技法について紹介します。
(5)黒色漆塗り土器
高温状態の土器に漆を塗布する高温硬化法と、煮炊き用の深鉢にも漆を塗布している土器について紹介します。
(6)漆による補修
破損した土器の補修技術について、ヒビや割れ、剥落などの破損の種類ごとに、補修漆の調合の仕方や補修孔との併用の有無などが異なり、そうしたバリエーションを紹介します。
(7)古代・中世の漆
下宅部遺跡出土の古代・中世の漆関連資料を紹介します。
付随事業
下宅部遺跡出土資料写真展 撮影:野中昭夫氏
展示図録 『縄文の漆』 に使用されている写真の中には、資料写真として撮影されたもの以外に、専門家による芸術的見地から撮影された写真があります。これらの写真を展示した写真展を同時開催しています。
講演会 「下宅部遺跡からみた縄文時代の漆工技術」
講師:千葉敏朗 (当館学芸員)
日時:6月10日(日曜) 午後2時から4時
定員:50名(先着順)
資料代:100円
申し込み:5月3日(木曜)9時30分から電子申請または、電話でふるさと歴史館(電話:042-396-3800)へ
電子申請でお申し込みの場合、「展示付随事業」でご希望の講座名・開催日をご記入の上、お申込み下さい。
展示図録 『縄文の漆』 復刊!
図録 「下宅部遺跡展 縄文の漆」
平成26年度特別展 「下宅部遺跡展 縄文の漆」の展示図録を復刊しました。
- 判型・頁:A4判、本文14頁(フルカラー)
- 頒布価格:50円
- 郵送頒布:送料分の切手(140円分)と頒布価格50円分の小為替を封書にて郵送。または現金書留
このページに関するお問い合わせ
教育部ふるさと歴史館
〒189-0021 東村山市諏訪町1丁目6番地3(たいけんの里:〒189-0022東村山市野口町3丁目48番地1)
電話:直通:042-396-3800(たいけんの里:042-390-2161 内線 ふるさと歴史館:3890~3892 たいけんの里:3893)
ファックス:042-396-7600(たいけんの里:042-390-2162)
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