千歯扱きにみる東村山
更新日:2011年2月15日
会期:平成13年3月17日(土曜)から5月27日(日曜)
当館の前身である市立郷土館が開館した、昭和40年以来収集されてきた資料には、さまざまなモノがあります。今回は、その中から千歯扱きを取り上げます。
千歯扱きは、現在では機械化とともに使われなくなった道具ですが、江戸時代に誕生したときは、画期的な道具でした。急速に普及し、産地の限られた道具だった ことから、年代や産地を推測しやすい資料でもあります。 当館収蔵品の中で産地のわかる資料には、現在の鳥取県倉吉市で作られたものが、多くあります。倉吉製の千歯扱きは全国各地で使われており、その理由として、各地の宿場に設けられた出張所で、販売や補修をしていたことが挙げられます。当館収蔵品は、新座市の大和田、川島町の伊草にあった出張所のものであることから、当市の交易圏をうかがい知ることができます。
また千歯扱きの形状をみると、「面取り打ち」(穂の断面が台形)という比較的古い形のモノが、ほとんどを占めています。稲こきに比べ麦こきは、棒打ちと併用しなければ脱穀しきれなかったため、古い形が使い続けられたと考えられます。それは、典型的な畑作地帯である当市の特色として、当然のことでもあるのです。 このように、博物館資料としての千歯扱きを検討していきます。
展示資料紹介
当館に収蔵されている全22点を、千歯扱きの注目点とともに、下記のコーナーに分けて展示しています。
千歯扱きってどんな道具?
- 作業工程の中での千歯扱き
- 技術変遷の中での千歯扱き
千歯扱きの各部名称と注目点
- 再生される千歯扱き
- カラミ釘のちがい
鉄製千歯以前の千歯扱き
- 竹製千歯扱き(中富民俗資料館所蔵)
- 樫製千歯扱き(八王子市郷土資料館所蔵)
鉄製千歯・穂の変遷
- 平打ちの穂の長さ比較(当館収蔵品と八王子市郷土資料館所蔵)
- 平打ち→面取り打ち→槍打ち→甲丸打ち(入間市博物館所蔵)
- 台木部「飾り文字」について
東村山周辺の千歯扱き
- 多摩地域、埼玉県北部、神奈川県の千歯扱きの名称比較
- マンガ(平塚市博物館所蔵)
- 田中千歯扱き(八王子市郷土資料館所蔵)
- 『一府九県連合共進会手引草』(八王子市郷土資料館所蔵)
当館収蔵品千歯扱き
- 一軒で使われる千歯扱き
- 東村山に来た行商たち
文書資料にみる千歯扱き
- 『明治38,9年農具一覧并図解』(神奈川県農業総合研究所所蔵)
- 『明治四十一年宿泊人名簿』(野島正明氏「料理店坂平」所有 西東京市複製 西東京市立中央図書館所蔵)
- 『日雇日〆控帳』(小町家文書)
- 『農業助人足順番控帳』(小町家文書)
調べてみようコーナー
- 近隣博物館所蔵千歯扱きファイル
- 当館収蔵品ファイル
- 実際にはかってみよう
展示ウィンドウ
- マネキンによる千歯扱き使用状況展示
当館収蔵品については、別途「一覧」(年代、全高、台木幅、穂の本数、穂先幅、穂元幅、穂幅、穂の間隔、穂の固定、穂の反り、穂の断面、穂部の陰刻、台木部の墨書、焼印)を作成しております。ご興味ある方は、受付にお声がけください。
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