市制施行50周年記念 特別展「下宅部遺跡展 縄文の漆」
更新日:2018年11月7日
第1会場 東村山ふるさと歴史館 特別展示室 東村山市諏訪町1丁目6番地3
第2会場 八国山たいけんの里 展示スペース・収蔵展示室 東村山市野口町3丁目48番地1
会期 平成26年10月4日(土曜)から12月21日(日曜)まで
漆でひびを補修した注口土器
下宅部(しもやけべ)遺跡は、縄文時代後晩期(今から約2700から4000年前)を主体とした低湿地遺跡です。ここでは、豊富な木材等の資料が出土していることから、当時の人々がさまざまな植物を利用して生活していたようすがわかります。
特に漆工関連資料は、樹液の採取から調整・加工・塗布に係る要具、工芸的にも優れた製品、壊れた土器を補修した資料など、一連の漆工技術を復元することが可能な資料です。
遺跡調査報告書の刊行後もさまざまな研究が続けられ、その成果がまとめられました。今回は、そうした最新の研究成果に基づき、漆を中心とした縄文時代の植物利用についての特別展を開催します。
第1会場 東村山ふるさと歴史館 「縄文の漆」
縄文時代の漆塗り弓出土状況です
展示構成
〇導入 「下宅部遺跡とは」 展示ロビー
東村山市多摩湖町にある縄文時代中期から中世にかけての遺跡です。都営住宅の建て替えにともなって発見されました。平成8年から発掘調査が始まり、縄文時代以外にも古代の池の跡やそこで行われていた祭祀の資料(墨書土器と呼ばれる墨で書かれた文字を残す器など)や、中世の石敷きの遺構などが発見されています。
〇本編 特別展示室
(1)ウルシ樹液の採取
樹液採取の傷を持つ杭を展示し、その分析と実際に石器で樹液を採取する実験から、縄文時代のウルシ林の維持管理技術として「間伐」が存在していたことを中心に紹介します。また、他の遺跡から出土した各時代の樹液採取の傷をパネル展示します。
(2)漆液容器
漆液容器には、保管用・調整加工用・塗布用・補修用などがあります。それぞれの資料と拡大写真でその特徴を紹介します。
(3)赤色顔料と赤色漆塗り土器
赤色顔料には水銀朱とベンガラがあります。当時の水銀朱の産地は北海道か西日本に限られ関東周辺には存在しないにも関わらず、下宅部遺跡では水銀朱が7割とベンガラを凌駕していることを中心に、赤色漆塗り土器について紹介します。
(4)漆塗り木製品
漆塗りの弓は儀礼用の飾り弓と言われることが多いのですが、実は高性能な実用品であることを中心に、多様な技法について紹介します。
(5)黒色漆塗り土器
高温状態の土器に漆を塗布する高温硬化法と、煮炊き用の深鉢にも漆を塗布している土器について紹介します。
(6)漆による補修
破損した土器の補修技術について、ヒビや割れ、剥落などの破損の種類ごとに、補修漆の調合の仕方や補修孔との併用の有無などが異なり、そうしたバリエーションを紹介します。
(7)古代・中世の漆
下宅部遺跡出土の古代・中世の漆関連資料を紹介します。
- 会期/平成26年10月4日 (土曜)から12月21日(日曜)
- 開催時間/午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 企画展示開催中の休館日/毎週月曜日・火曜日休館(ただし、11月24日は開館し、11月26日は休館)
- 参加費/無料
- 交通/西武鉄道東村山駅より徒歩8分
駐車場が少ないので、お車での来館はご遠慮ください。
たいけんの里の開館日も同様となります。
下宅部遺跡出土資料写真展 撮影:野中昭夫氏
開催期間 平成26年9月3日(水曜)から12月21日(日曜)
今回の展示図録に使用されている写真の中には、資料写真として撮影されたもの以外に、専門家による芸術的見地から撮影された写真があります。これらの写真を展示した写真展を同時開催しています。
講演会「下宅部遺跡の漆と植物利用」
講師 千葉敏朗 (当館学芸員・元下宅部遺跡調査団主任)
日時 平成26年10月25日(土曜) 午後2時から午後4時
資料代 100円
申込み
10月16日(木曜)9時30分から電子申請(市のホームページのネット申請」からアクセス)または、電話でふるさと歴史館(042-396-3800)へ
電子申請でお申し込みの場合、「展示付随事業」でご希望の講座名・開催日をご記入の上、お申込み下さい。
特別講演会「(仮題)縄文時代の漆文化」
講師 永嶋正春氏 (元国立歴史民俗博物館教授)
日時 平成26年11月22日(土曜) 午後2時から午後4時
資料代 200円
申込み
10月16日(木曜)9時30分から電子申請(市のホームページのネット申請」からアクセス)または、電話でふるさと歴史館(042-396-3800)へ
電子申請でお申し込みの場合、「展示付随事業」でご希望の講座名・開催日をご記入の上、お申込み下さい。
第2会場:八国山たいけんの里 「縄文時代の植物利用」
縄文土器の底に残った炭化した縄文アズキです
(1)八国山の自然
現在の八国山に生息する動植物をパネルで紹介します。
(2)狭山丘陵の植生変化
江戸時代の地誌や平安時代の花粉分析、縄文時代の花粉分析・樹種同定などから、過去の狭山丘陵の植生を紹介します。
(3)下宅部遺跡の植物利用
下宅部遺跡から出土した植物遺体から、縄文時代の植物利用を概観します。
(4)食物としての植物
生のまま出土したクリ・クルミ・トチ・ドングリ類、土器に付着した炭化種子や鱗茎、土器に埋め込まれたマメなど、食料としての植物を紹介します。
(5)木材加工の技術
伐採痕跡・切断痕跡のある木材や未成品などから、木材加工技術を紹介します。また、復元した磨製石斧で伐採した木も展示します。
(6)カゴ編みの技術
出土した網組製品とその復元品などから、カゴ編みの技術を紹介します。
(7)編布の技術
縄文の布である編布(あんぎん)の復元実験の途中経過を紹介します。大麻(おおあさ)から表皮を剥いで繊維を採り、編布を編む各工程を展示します。
駐車場がないため、公共交通をご利用願います。
展示図録
図録「下宅部遺跡展 縄文の漆」
- 判型・頁/A4判、本文14頁(フルカラー)
- 頒布価格/50円
- 郵送頒布/送料分の切手(140円分)と頒布価格50円分の小為替を封書にて郵送。または現金書留
このページに関するお問い合わせ
教育部ふるさと歴史館
〒189-0021 東村山市諏訪町1丁目6番地3(たいけんの里:〒189-0022東村山市野口町3丁目48番地1)
電話:直通:042-396-3800(たいけんの里:042-390-2161 内線 ふるさと歴史館:3890~3892 たいけんの里:3893)
ファックス:042-396-7600(たいけんの里:042-390-2162)
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